私と五条先輩の秘密【呪術廻戦】

9話 ページ10

『……寝てる。』




お風呂上がりに共用スペースを通りかかれば、ソファの背もたれからだらしなく垂れ下がる白髪が見えたから近寄れば、そこには目を瞑る五条先輩が。



こんなところで無防備な姿…珍しい。






どうしよう…風邪引くし起こした方がいいよね…髪も乾かしてないみたいだし…






『……こんなところで力尽きるなんて、よっぽど疲れてるのかな。』






基本的にタフな人だから、こういう姿を見るのは新鮮でちょっとドキドキしちゃったり。



そーっ…と近づいて隣に腰を下ろして体を揺すってみるけど、眉を寄せるだけで起きる気配がない。







『先輩、風邪ひきますよ。』



「ん"ー…」



『……。


………悟、くん。』






ﾊﾟﾁｯ!!!








「今、なんて」



『〜ｯ！
な、なにも言ってません！』





誤魔化すためにその場を後にしようと腰を上げようものなら、腕を掴まれてそのままソファに押し倒されてしまう。






「……もっかい言ってよ。」



『……嫌です。』



「へぇ…言わねぇならキスすっけど。」



『な…っ！
ここがどこかわかってるんですか？！
今のこの体勢だって誰かに見られるかもしれな、』






私が言いきる前に、目の前の男は私の唇に吸い付く。


濡れたままの髪の毛が顔にかかって少し冷たい。




だけど、離れた後に僅かに吐かれた吐息は熱くて、体の奥が思わず疼いてしまう。







「ん〜…お前も風呂上がり？
めっちゃいい匂いする…」


『……おい、どこに顔埋めてんだ。
ここ共用スペ…』



「………抱いていい？」



『…………………は、』







虚な瞳と少しだけ弱々しい力、甘い声。




そんな彼を前に一瞬、体が動かなくなった




顔が熱くなって、頭の中真っ白になって…








『…………いや待て、さては寝ぼけてるな？』



「なんの…こと………」



『あ、ちょ…！
私の上で力尽きるな！重たい！！！』







「アンタたち、何やってんの。」




そんな声に私は首だけ横に向けると、そこには硝子さんが。


マズイ…！そう思って私は思い切り上に乗っかる大男を横に転がして地面に落とせば、どうやら頭が床に直撃したらしく聞いたことのない鈍い音が響いた。





『あはは…組み手の練習してたんですよ。』


「なんのだよ。」


「痛ぇ…ぜってぇたんこぶできる…」


「治さないからね。
お前ごときがAに手出すな。」


「…ん？てかなんでAと硝子がいんの？」


『……ハァ。』

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