44話 ページ45
誰も見てないのをいいことに、先輩は私の手を握って前を歩く
ただ静かに。
「……俺がいねぇとこで泣くのやめろよ。」
先輩の部屋に入れられて、私をベッドに座らせると、先輩は下から私の顔を覗き込む。
もちろん苛立ちもあるだろうけど、その目に入る確かに心配の色があって、それを見てなんだかまた泣きそう。
「………で、理由は?」
『……先輩のこと、好きすぎて。
気がついたら泣いてました。』
「今そういうふざけいらねぇんだけど。」
『……………なんにもふざけてなんかないです。』
雪崩れ込むように、ベッドの下にいる先輩の首に腕を伸ばして膝の上に着地すれば、驚いたような顔をしつつもしっかりと受け止めてくれる。
あぁ…好きだなぁ…
そう思うたびに、苦しくなっていくのはどうしてだろう。
どうして純粋にこの人を愛してはいけないのか
自分の血が憎くて憎くて仕方ない。
『………先輩、"最後"にお願いがあります。』
「あ?」
『………私のこと、めちゃくちゃに抱いてください。』
「……………は?」
心底驚いたような顔で私を見る先輩
でも、私の顔を見るとスンッ…と表情が消えていく。
「お前、何考えてる。」
『……お願い、先輩。』
「……。
……優しくしてやれねぇぞ。」
先輩が、私の考えていることを理解したかしていないのかはわからない。
それでも、こんな風に私が懇願してくることが今までなかったからだろうか、静かに私をベッドに沈めると、ゆっくりと口付けてくる。
それは段々と深いものになっていって、気がついた時には喰われるようなキスへと変わっていた。
…私は知っている
先輩は今までずっと、出来る限り私に優しく触れてくれていたことに。
だからこそ、先輩が本当に私のことを好きなら、その想い全てを余すことなくぶつけてほしかった。
「ッ……A……っ」
『ぁ……ッ』
先輩の本能のままに、ひたすらに抱いて欲しかった。
苦しいほどのそれは、今の私には十分すぎた。
何度も意識が飛びそうになるけど、一瞬一秒この時を忘れてはいけないと、ただひたすらに先輩の名前を絶え絶えになりながらも呼び続けて。
「ッ…A…愛してる……っ」
余裕もなくそう言った先輩の顔を、声を、私は一生忘れないでいよう。
これからの人生がどうなろうと
先輩との記憶が、私を私でいさせてくれるはずだから。
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美悠(プロフ) - ちゃっぱさん» ファンパレのイベントで、まさか超親友の野球が見れると思ってませんでしたwwwwwこの会話してた中でタイムリーすぎます🤣 (4月6日 23時) (レス) id: eb7d094950 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 団体戦野球にしてくれた下々先生には頭上がらんですよね…ありゃ眼福でしたたまらん虎杖よ、もう永遠にスポーツやっててくれ…次は腹チラとかしてくれてええんやで…?(ヨダレ)ブラザーのピンチに駆けつけずいつ来るんだって話だよ東堂コノヤロウ(理不尽) (4月6日 23時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
美悠(プロフ) - ちゃっぱさん» 呪術甲子園見てから、ユニフォーム姿の悠仁のムチムチボディに夢を見続けてます…( ˘ω˘ )筋肉フェチとしては絶対目に焼き付けておきたいですよ( ¯﹀¯ )夢主ちゃん、東堂に不義遊戯してもらって呼び戻しましょう!www (3月26日 22時) (レス) id: eb7d094950 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - ハルスケさん» わわ、!こちらの方まで来てくださったんですね…ありがとうございます( ; ; )とんでもないです…読んでくださる皆様がいてこそ成り立っていますので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです(泣)でもそうですね…その神の称号は一応もらっときますね^ ^(調子乗んな) (3月26日 21時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» ぅゎ、、虎杖悠仁ぜってー将来ショーヘイみてぇな魅惑ボディになるやん…とんでもねぇこと想像させないでくださいよっ!!!!!!(は?)(もっとください)夢手たんどこ行ったの?迷子かな?ん?怖くないから戻っておいでぇ^ ^() (3月26日 21時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2023年10月22日 18時