私と五条先輩の秘密【呪術廻戦】

41話 ページ42

「神代さんって、」


『あ、Aで大丈夫です。』


「……Aちゃんって、五条さんの何？」






開幕した個人戦


対戦する京都校の一つ上の女の先輩にそう投げかけられる。





離れた場所から見る皆んなにはこの会話は聞こえていないことだろうな。






『……別に、ただの後輩ですけど。』


「ただの後輩だったら、あんな目をあなたに向けるわけ
ないでしょ。」


『あんな目とは…』





…ほら、見たことか。





油断して人前で私に話しかけてくるから、こうやって周りに疑われちゃうじゃん。


そんで目を付けられるのは決まって私なんだな、とわかっていたことだけどため息が出る。






女の勘は侮れない


そして


女の嫉妬は怖い。







「連絡先教えて！！！」


『自分で聞いてください…』


「無理よ！！
あんなのに近づけない！！！」


『その気持ちはわかるが…！』




どうしたもんかと、向こうからの攻撃を躱しながら頭を抱えたくなる。







『……でも、たしかに
私なんかより、あなたのような人と付き合った方が
五条先輩はきっと、』



「なに？！声が小さくて聞こえない！！！」



『………どうしてあんな家に生まれちゃったんだろう。』





ただ純粋に五条先輩に出会いたかった


この先輩のように、JKらしく生きてみたかった







そんなことを考えていると、すぐ目の前には拳が迫っていて





あ、やばい


避けられない。









ﾄﾞｺﾞｯ!!!










「うそやだ…！
ごめんね！こんなに強く入るなんて思わなくて！！！」








………あー、空が青い


仰向けに倒れる私の上から、先輩が心配そうに見下ろしてくる。







私、今凄くカッコ悪いんだろうな


徐に起き上がれば、痛む鼻からは血が流れ出ていて、地面に円を描いて落ちていく。








あー…昔もよく鼻血出してたな、弱いし殴られるしで。






あの時はなす術がなかった



今は違う。









『……謝らないでください。
なんか、覚悟できました。』





もう、弱いのはやめだ。


口先だけで、いつまでも引け腰なのは、いつだって自分に自信がないから。





自信なんてなくていい





ただ、五条先輩のために



今できることを精一杯やればいい。



















「あぁ…Aちゃんの可愛い顔に傷が…！
硝子！今すぐに治療だ！個人戦中断！！」



「なんや、傑くんはアイツのファンか何か？
趣味悪、


…はは、目ぇ怖いて悟くん。」

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