私と五条先輩の秘密【呪術廻戦】

39話 ページ40

心配そうに私の顔を覗いてくる先輩


あぁ…そういうところが本当に…






私が言葉を詰まらせていることに気がついた先輩は、私が座るベンチに腰掛ける。






肩が少し触れ合う距離


少し冷たい夜風が心地よくて


今、この瞬間だけ時がゆっくりと流れているような


そんな穏やかな空気






「別に、直哉に何もされてねぇんなら
俺は何も言わねぇよ。



……でも、"いかにも何かありました"って顔されて
放っとけるわけねぇだろ。


お前は昔からそう
隠してるつもりだろーけど、顔に出てんだよ。」




『っ……』




「何言われた、言え。」




『…………確かに、直哉にまた私と先輩のことを言われたのは
確かです。



でも大丈夫です。

ただ…少し自分の中で考えてただけなので。』




「……。

…何を？」




『…………。



どうしたら先輩とずっと一緒にいられるかですよー。』





別にこれは嘘ではない。


自ら先輩の肩に頭を預けると「ぇ」なんてちょっと間抜けな声が上から降って来る。




私から先輩にこういうことすることが滅多にないから、未だにリアクションが新鮮なのが可愛い。






『…………先輩』


「……なに」


『…大好き。』


「は、お前…まじ今日どうした？」


『そういう気分なだけです。』


「…ふーん、そっか。」


『あ、今ちょっとニヤけた。』


「見てんじゃねぇ！
つーかもっと肩に頭を置いとけ！！」


『ぅわっ！
首もげる！！！』







今だけは、ただこの時間を_____






見上げれば、いつでも優しい瞳で見下ろしてくる先輩の温かさに包まれたまま、その日は眠りについた。







この体温を、忘れないように。



















"「本気で悟くんのことが好きなら




お前がするべきことは他にあるやろ。」"

















.

















「五条さんの実物ハンパない…」


「顔面国宝……アンタ連絡先聞いて来なさいよ…」


「無理に決まってるじゃん…！
近づくのすら躊躇うのに！！！」







『……。』







…相変わらず、五条先輩はよくモテる。






2日目、個人戦前



京都校の女の子2人が先輩の方をチラチラ見ながらキャッキャと騒いでいる。



先輩がそちらに顔を向けるものならば「こっち見た…！」なんてまた騒ぐし。





「アイツら何？傑のファン？」


「どう見ても君だろ。」


「ふーん」


「興味ないの？」


「同業者ナンパすんのはキモい。」


「なんで私に向けて言うんだ！」

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