私と五条先輩の秘密【呪術廻戦】

36話 ページ37

五条先輩は、ふぅ…と一つ息を吐くと、目を閉じて、そしてゆっくりと瞼を開けて、私を見た。







「…………直哉から聞いたと思うけど、




俺とAには血の繋がりがある。」




「ｯ……」




「"一応"、な。


別に兄妹とか従兄妹とかでもねぇ、まじでめっちゃ遠い親戚だから、あってないような血の繋がりだけどな。






……でも、呪術界において、同じ家系の者同士が所謂"そういう"関係になるのはタブーだ。


だから俺たちは、付き合ってることを隠してた。」





そう言って淡々と、静かに語る五条先輩に後ろめたさや罪悪感などは微塵も感じられなくて、むしろ…






「五条家の当主になろう者がバカじゃねぇの？
って思うだろ。」



「…いえ、私は別に……」



「………何とでも言えばいい。


好きになっちまったもんは仕方ねぇだろ。」




『ｯ……』





……あぁ、ほら、こういう人だから


だから私は惹かれたんだよ。






人目を気にしない


強くて、逞しくて、優しい先輩に。






「……よくもまあ、恥ずかしげもなく言えますね。
こっちが恥ずかしくなります。」



「お前…意外とピュアなのな。」



「黙ってください。」



「……つーことだからさ、俺たちのこと
絶対誰にも言わねぇでくれると助かる。


まあ七海ならその心配なさそーだけど。」



「はぁ…心配しなくとも、他言はしませんよ。
まあ五条さんがどうなろうと、私はどうでもいいですが、」




「おいコラ」



「私も…大事な同級生が、そのせいで傷つくのは見たくないので。」




『七海……』






…改めて、七海が私の友達になってくれてよかったと、心の底から思った。



五条先輩も安心したように顔の力を抜くと、「俺たちの馴れ初め聞く〜？」なんてニヤニヤし始める。





『やめろ』


「え〜いいじゃーん。
誰にも話せてこなかったんだからさーあー。」


『……話すような内容でもないでしょ。』


「…それもそうか。

…てか七海はいつから俺たちが付き合ってたこと
知ってたわけ？」


「……多分、お二人が思っているよりずっと前からですよ。

ずっと…見てきたので。」







「………ふ〜ん。」





なんか、空気が……



一瞬、何とも言えない空気になったけど、次の瞬間にはもう元通りになっていて。






「コラ悟！！！どこ行った！！！」


「やっべ、夜蛾センだ。

…つーわけで、さっきの話は俺ら3人の"秘密"でよろしく。」



『あっ…行っちゃった。』

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