私と五条先輩の秘密【呪術廻戦】

21話 ページ22

「……昨日、お前から返信なくて
俺、何かしたっけって思って。


そんで電話してみたけど出ねぇし、部屋に凸ってお前が寝てるの見て安心したら、俺も眠くなっちまって。


…けど、起きたらお前すぐどっか行こうとするし、昨日俺のメール無視した理由も寝てたからってことじゃなさそうだし…




何か理由があるから、俺に会いたくなかったんだろ。」





『っ……』





私を責めるような声でも、悲しそうな声でもない。




一つ一つ、話す声は落ち着いていて



だけど、やっぱりどこか寂しそうで。










この人は昔からそうだった



感情的な人なのかと思えば、冷静に話を聞こうとする姿勢を見せてくれて、不器用ながらも寄り添おうとしてくれるんだ。








だからこそ、これ以上不安にさせたくないって思うんだよ___









『……実は、』



「うん」



『っ……


昨日！夜ご飯とお菓子食べ過ぎちゃって！！
吐くくらい気持ち悪くなっちゃって返信できなかったんです！
そんな状態で会えるわけもなかったし！！


いやぁ、ほんとごめんなさい…何やってんだかほんとに…あはは。』




「………。


今は？もうヘーキなわけ？」




『はい！
寝て起きて先輩の顔見たらもう元気ピンピンっすわ！
ご心配おかけしました！』



「……あっそ。
ブタになんなくてよかったな。」





そんな悪態だけついた先輩はﾊﾟｯ！と私を離した。



その時の表情は酷く曇っていて、意地悪い笑みなんて1ミリも浮かべちゃいなかった。






…きっと寝起きだからだよ


私の言葉に納得いってないからってことじゃないもんね、と自分に言い聞かせて、先輩に笑みを向けて。






『今日、夏油先輩たちとお出かけの予定なんですよね？
ほら、早く部屋戻って準備しなきゃ！』



「…いや、無理。
昨日の会えてねぇ分を今補わせてもらう。」



『ちょ…朝からお盛んすぎ…！』



「うるせぇ、いいから黙ってろ。」



『乱暴反対！
あ！コラ服に手をかけるな！手冷たっ！！』






ｺﾝｺﾝｯ






「A〜？
朝ごはんできてるけど、まだ寝てんの〜？」



『ｹﾞｯ！灰原…！

ちょ、ここ隠れてください…！』



「あ"？」



『いいから早く！！！』



「入るよ〜？」



「む"ご……っ！」






ｶﾞﾁｬｯ






「あれ、起きてんじゃ〜ん！
…って、なんか布団分厚くない？太った？」



『そ、そうかな？あはは…』



「おい……んぶっ……！」



『ちょっと黙ってろ……！』

22話→←20話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す