私と五条先輩の秘密【呪術廻戦】

20話 ページ21

『………ん、』




あれ……私、いつの間に眠ってたんだ…？



すっかり外は少し明るくなっていて、肌寒い。







……つまり、朝？







『……嘘、寝落ちしてた…？

どうしよう…先輩との約束すっぽかしちゃった……』





怒ってるかな…今から行っても…いや、流石に寝てるって。




……それに、寝ても覚めても

気持ちがまだ落ち着いてな……






『……ん？なんか重い……』





その時、お腹の上に何か乗っている感覚を覚えた私は、上半身を起こして驚愕した。




だって……






「んー…」



『………先輩、』





そこには、私のお腹に腕を巻き付けてベッドの細く狭い空間に身を入れて眠る五条先輩がいたんだから。



いや、どんなとこに挟まってんのよ…私と壁の間の隙間ほぼ無いじゃない…寝づらくないのかしら。





……そうじゃないでしょ






『…いつから、いたんだろう。』





私が約束をすっぽかすことなんて初めてだから、心配して見に来てくれたのだろうか。



どっちにしろ…罪悪感で胸が痛い。





そっ…と私は布団をかけてあげて、ベッドから降りようとした。







「…………どこ行くんだよ。」


『ｯ…！』





背後から掠れた声がすると同時に腕を掴まれる。



振り向けば、まだ少し眠たそうな目はしているものの、真っ直ぐに私を見上げる先輩がそこにはいた。






「…………なんで昨日、来なかった。」


『っ……そ、れは……』






……言えない、禪院直哉に会ったことなんて



言えば五条先輩はきっと___







「…なに
俺のこと嫌になった？」



『それだけは絶対にないです。
………ただ、』



「ただ、なんだよ。」



『……っ』



「…………はぁ。」






腕を掴まれていた手が離されて、先輩がゆっくりと起き上がって床に足をつける。




…そりゃ、呆れるし怒るよね


理由も言えない、ハッキリとしない私のことなんて。






だから、そのまま部屋から出ていくもんだと思っていたのに






ｸﾞｲｯ!!!






『っゎ……』






今度は強く腕を引かれて、そのまま先輩の腕の中に収まった。


ｷﾞｭｳｯ…と全身で私を包み込むように、少し苦しいくらいに。






「俺には全部言えって、言った。



………俺のこと、そんなに信用できねぇのかよ…」




『ぁ……』






…違う



先輩はただ、心配してくれて、大事に思ってくれているだけだ。






それなのに…



私は逆に彼を不安にさせている。

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