私と五条先輩の秘密【呪術廻戦】

2話 ページ3

「なぁ、なんでそんな怒った顔してんの？」


『自分で考えてください、クズ野郎。』


「待って待って、急に口悪くなんじゃん。」







……誰が予想できるだろうか




まさか、昼間あんな風に絡むことがなかった私たちが
同じ部屋の中で密着しているだなんて。






怒っている私を後ろから抱きしめて顔色を窺ってくるのは、紛れもない






「………あ、もしかして一緒にメシ行きたかった？」



『ちっがーーーう！！！
私のことを"ちちんぷいぷい"って言った！！！』



「え、そんだけ？」



『そんだけとはなんですか！！！
どういう意味だコラ！！！馬鹿にしただろ絶対！！！』







昼間、私のことを見下し、馬鹿にした



あの五条先輩だ。








昼間とは打って変わって、2人きりになるとこんな風に"普通"のカップルのように私たちはなる。







「どう考えたって"ちっこくて可愛いヤツ"って意味だろうが。」



『絶対違いますよね？
あの時は明らかに"ザコ"って感じでしたよね？？？』



「まあ確かにお前はザコだけど。」



『はい殺すーいつか絶対私がアンタなんか殺してやるー。』



「お前に俺は殺せねぇよバーカ。」







………前言撤回





カップルぽくもなんでもない


やっぱりこの男はクズ極まりない。





ムカついて、お腹に回った彼の腕を無言で解いて扉へ向かえば「は？どこ行くんだよ。」と声が飛んでくる。





『今日はもう部屋に帰ります。』





そう言って扉に手をかけた瞬間、後ろからﾌﾜｯ…とその手に手を被せられる。






「………行くな。」



『……。』



「っ…俺が、悪かった…から…

頼む……もうちょいお前と一緒にいたい。」



『ｯ……わかりましたよ。』






その声はズルい…この人は私が許すのをわかっててやってる。




そのまま後ろからｷﾞｭｳｯ…と包み込むように抱きしめられて、肩に顔を埋められて、髪の毛が首筋に当たるからくすぐったくて身を捩れば





「……こっち、向け。」





なんて顎を掴まれて、いとも簡単に口を塞がれてしまう。






『んっ……』



「……は、

…お前だって、ホイホイ男どもについて行こうとすんじゃ
ねぇよ。」



『あれは別に下心ないでしょ…。』



「傑に絡まれてた。」



『いやあれは…って、やっぱあの時邪魔してきたのは
嫉妬してたんですね？』



「………うるせぇ、もっかい塞ぐぞその口。」



『あ、図星………んんっ！！』

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