140話 ページ42
その時だった。
「"3名様VIPにご案内いたしますー。"」
そんな声がインカムからして、俺はそっ…とホールの方を覗く。
…って、Aも一緒？！
てことは、まさかあの3人組が……
そっか…Aのヤツ、上手くやったんだな。
これであとは、情報を何かしら奪えたら……
「…………嘘、」
「うぉ、どうした？」
俺の後ろにピトリとくっついて、俺と同じように蜘蛛音もその光景を見ていた。
だけどその表情は俺の心情とは真逆に、血の気が引いたように絶望にも近い顔だった。
「……行かなきゃ…っ」
「待って。なんで蜘蛛音が？
アイツら、やっぱお前と同じタトゥーが入った連中なの？」
「……。」
「……逆らったらヤバいとか、そういう？」
「…心配しなくて大丈夫だよ、範太くん。
これは紛れもない、私自身の意思だから。」
……は？どういう意味だよ、それ。
蜘蛛音はそう言うとVIPルームの方へ歩き出すから、俺は咄嗟にその手を掴んでいた。
「……範太くん、もう一度言うね。
今すぐ、帰って。」
「だから、蜘蛛音も一緒に……」
「私はね、君にとってのヒーローになりたいんだよ、範太くん。」
「………え？」
振り返った蜘蛛音の表情は、酷く下手くそな笑顔を浮かべていて
だけどそれが、やけに輝いて見えた。
「さっきVIPに連れて行かれた彼女、キュナネだよね。」
「……うん、そうだけど。」
「……彼女だけは、絶対にダメ。
範太くん、君が仲間を大切に思ってるなら、今すぐに彼女を連れて帰って。」
「だからそれは……」
「あの人たちは、範太くんたちが思ってるより何百倍もヤバいから言ってるの。」
……どういう意味だよ、それ。
だけど、蜘蛛音のその強く、そして奥に恐れを秘めた瞳に俺はどこか緊張感を覚えた。
Aだけはダメって……俺たちが思ってるより、ヤバい…？
「……範太くん、さっきも言ったけど
私は君のヒーローになりたいの。」
そう言ってVIPルームの方へ歩き出そうとするから、俺は蜘蛛音の腕を掴む手に力を込めた。
「範太くん、お願い。
大切な仲間を連れて、今すぐに帰って。
私は大丈夫…これも、全部"自分の意思"だから。」
「………わかった。
じゃあ、俺も行く。」
「………へ？」
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ちゃっぱ(プロフ) - おと。さん» 電車に水溜りできてないですかね…？なんとか耐えましたかね…？(汗)そう言っていただけて、とっても嬉しいです…いつもありがとうございます（ ; ; ）♡これからもゆるりと更新してまいりますね^_^でんぴ…君はそのアホな頭で(失礼)何を考えてんだ…不穏だな…() (2023年2月6日 20時) (
レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - アキネコ。さん» ええ！ええ！もうそれはイケメンな見せ場が待ってますよ！！(のはず…)でんぴ、君は一体何を考えているんだい。そしてその意味がわかる日はいつ来るんだい…！気になって気になって夜と昼しか眠れねぇじゃねぇか！！！ (2023年2月6日 20時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
おと。(プロフ) - えええまって泣きそうになりました電車で…！！やっぱり最高です主様の小説が1番大好きです…！！上鳴のこれからの展開がハラハラすぎて…ぐっ…苦しいです！！更新毎日楽しみにしてます！ (2023年2月5日 11時) (レス) @page50 id: 4041acf31d (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ。(プロフ) - ちゃっぱさん» 私のえいじろー見せ場あるんスカ…!?!?ボス(？)追ってるって……。頑張れえいじろー…!!!上鳴くん、これから"も"頼んだぜって何ぃ?!?!任せる気満々やん！！！更新あざっす!!!! (2023年2月5日 0時) (レス) @page50 id: 1ef8943118 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - はないかださん» やるときはやる！という言葉が世界一似合う男！それが上鳴電気ですからね！いいとこ持って行きやがって！くぅ！！()かっちゃんは…日に日にカッコよくなっていくかっちゃんが同じ屋根の下にいるって、冷静にやばいな(今更)温かいお言葉ありがとうございます（ ; ; ） (2023年2月4日 23時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃっぱ195
| 作成日時：2022年12月16日 18時
