沸点と融点 season3【鬼滅の刃】【煉獄杏寿郎】 [完]

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温崎冷Aへ






おい、お前、そっちで元気にやってるか？




煽り技術はあがったのかよ。









お前が死んですぐ、色々大変だった。




色々あるからな、何から話せばいいかわからねェが。





中でも煉獄は大変だったぞ。





お前もそっちから見てて知ってるかもしれねェがな。







いつも明るいあいつが、あんなにも取り乱すところなんて


誰も見たことがなかったからな。









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「オイ！煉獄！！！！
倒したのか？！？！


倒したんだな！たった今、白夜のやつも……」






「…。」





「……煉獄？」








誰だ……ああ、この声は不死川か。


かろうじて俺の耳は不死川の声を拾ったらしい。









俺の腕の中でだんだん冷たくなる、


動かなくなったA。








俺の頬に触れるAの手を掴む手を離せば



簡単に俺の手からこぼれ落ちていく。









ああ……本当に………






「……死んだのか？A。」




「……………ああ。」




「……………クソが。」







声だけでわかる、不死川が怒っているのが。



それと、悲しんでいるのも。









俺は、どうだ。



もう何も考えたくない。









この現実を受け止めるには



今の俺では到底無理だ。









ああ、本当に………






「なんて……愚かで、情けないんだ。」








こんなにも胸が苦しくて


こんなにもお前のことしか考えられなくて


こんなにも愛してしまった。







A。お前だけなんだ。






こんなにも涙が溢れて止まらないのは。




こんなにも、失うのが怖いと思ったのも





全部、全部……。









「………A……すまない………」




涙と嗚咽が止まらない。



もう、苦しくてしょうがない。





このぽっかりと空いた心の穴に風が入る。








「……煉獄。」







悲鳴嶼さん…か？





「Aを、見送ってやろう。」



「ッ…」



「この子は本当に……強く、優しく、美しい子だった……。

最後まで、立派に戦い抜いたのだろう？」



「………ああ。」



「それに、お前という最愛の人に抱きしめられて最後を迎えられるなんて、鬼殺隊士として幸せな死に方だと私は思う。」




「……俺がもっと強ければ死なせることなど…」




俺が言いきる前に悲鳴嶼さんが俺の肩に手をおく。









「煉獄。
私達に未来のことなどわからない___。」

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