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今から四日前____
「あ"〜あ"ぁ〜。」
「うわっ声がひでぇ掠れ方してんな。」
「一応歌ってるんですけど…。」
蝶屋敷の縁側で一人、しのぶさんに貸してもらった例の歌集を手に歌の練習に励んでたのに、
「それ歌声って言わねえよ!
ただのうめき声だ馬鹿野郎!」
「そ、そんなに言わなくたっていいじゃないですか…!」
どうしてふと現れた宇髄さんに凄い剣幕で怒られないといけないんだ。
しょうがないじゃん。音痴なんだから。
「で、お前は何を歌ってるわけ?」
「実は、満の鬼が人間時代に苦しんだ"呪いの歌"を練習してまして…ご存知ないかもしれないですけど。」
「お前、あの気持ち悪い歌練習してやがったのか!
音痴すぎてわかんなかったわ!」
「もうその話はよしてください!!!」
宇髄さんはどうやら知っていたらしく、私をさらに引いた目で見てくる。
「しかしなんでまたそんなことしてんだよ。」
「満の鬼は到底私の力じゃ敵わないので、できることは全部しておこうと思って。
…そりゃ、皆さんの力を借りたら勝てるかもしれないですけど、それじゃだめなんです。
私が自分の手でケリをつけたいんです。
だから、どんな手を使ってでも必ず私が倒します。」
はっ!いかん。喋りすぎた。
慌てて宇髄さんに謝ろうとすると、宇髄さんは意外にも真剣に聞いてくれていて、私の頭を撫でてこう言ってくれた。
「お前の気持ちはよくわかった。
ならば俺が稽古をつけてやろう。
この四日間で仕上げろよ。」
「!!
はいっ!!」
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大きく息を吸う。
たくさん吸うだけじゃない。
歌を歌うときは、型の呼吸と一緒。
お腹にしっかり力を込めること。
そして、自分の感情を乗せること。
宇髄さん直伝だ。
だから私は満の鬼…あなたに心からの憎しみと怒りを乗せて歌わせてもらう。
スーーーーッ…
「〜♩」
「あ"あ"あ"ぁぁぁ!!!!
誰だぁぁぁぁ!!!!その歌を歌うのはぁぁぁ!!
やめろおおおぉ!!!!ゔぁぁぁぁ!」
早く出てこい。
「〜♩」
「くそっくそっっっ!!
やめろおぉ!今すぐやめろおおぉぉ!」
うん。匂いがはっきりしてきた。
いる。一番奥に。
私は歌を歌いながらゆっくりそちらに歩く。
宇髄さん…どうやら効果はあったようです。
「貴様かぁぁぁ!性悪娘がぁぁ!」
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ななみ(プロフ) - #観音坂ゆるさん» ありがとうございます…(泣)ですよね…やっぱりちょっと酷な終わり方だと自分でも思いました…。やはり煉獄さんとちゃんと幸せになれる話を作らないとダメですよね?!うん!!私もそう思います!!これ以上持ちませんよね…笑 ご意見本当にありがとうございます!!! (2021年1月3日 20時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - 間違えました、次作です (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - あと自作の話なんですが…私はまた煉獄さんの話が良いです!今度は甘い感じのがいいです…いやほんとにこれ以上やったら死ぬ← (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - ちょっと待ってください??私のおめめが大変な事になっているんですが…← いやほんとめっちゃ感動しました!!つらいです( ;∀;)でも面白かったです!完結おめでとうございます! (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - はりはりさん» ありがとうございます!!!!! (2020年11月29日 12時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2020年11月14日 18時