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終わりの始まり ページ27

近づいていくにつれてだんだんと足が鉛のように重くなっていく感覚がする。




今日で、全てが決まる。




でも不思議と恐怖はない。




見慣れた風景に歩く速度を緩めながら街の中を歩いていく。



前に来た時はたくさん人が倒れていて、正直あまり見てられないほど悲惨だった。


しかも幻覚じゃなくて、本当に実在する人達がああなっていただなんてね。









「…ほんと、そのままなのね。」





街の奥まで歩いて行き着いたのは、前に煉獄さんと来た、かつての私の家の茶屋。



相変わらずの佇まいに思わず笑いそうになる。




ここで、家族はみんな死んだんだ。







「だったら、私が死ぬ場所なんて決まってる。」


「威勢が良いな貴様。」









ハッと顔を上げるとそこには屋根の上からこちらを見下ろす満の鬼がいた。




さっそく、現れやがった。








「よくぞ来てくれたな。
私はこの日を何百年も待ち続けていたぞ…!!!」



「悪いけど、あなたにはここで死んでもらうから。」



「ふははは!小鼠が何か言っておるわ。
良い良い。それくらい威勢が良い方が、殺し甲斐がありそうだ。


いや、殺しはしない。
貴様は私と共に来るのだ!」







そう言って、満の鬼は




浮いた。







その瞳はギラギラと月光に照らされながら赤々しく光り、まるで獲物を目の前にした獣のように牙を立てて、私を今すぐにでも捕まえようと見てくる。





大丈夫。


まだ。まだだ。









絶好の機会は必ずある。







「どうした?
そちらが来ないなら、こっちから行かせてもらうぞ!!」






満の鬼はそう言って私に向けて手をかざす。



周りの空気が薄気味悪くなっていくのがわかる。






大丈夫。まだだ。








"血鬼術 _____"









「……………あなたの、名前は"矢野子未空"」




「……………




それがどうした。」








満の鬼の動きが止まる。



目を細めて、こちらを見つめたまま。









「あなたは平安時代の歌手。
歌を作ることがとても好きで、自然の美しさを好む優しい人間だった。」




「……。」




「でもそんなあなたに悲劇が訪れた。
自分の愛する自然が破壊されていくことに腹を立てたあなたは、人類に向けて、この世界に向けての怒りから"呪いの歌"を作ってしまった。」



「……ああ、そうだ。」






満の鬼は力なく、宙から降りて地面に下を向いて座り込む。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 無限列車   
作品ジャンル:恋愛
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ななみ(プロフ) - #観音坂ゆるさん» ありがとうございます…(泣)ですよね…やっぱりちょっと酷な終わり方だと自分でも思いました…。やはり煉獄さんとちゃんと幸せになれる話を作らないとダメですよね?!うん!!私もそう思います!!これ以上持ちませんよね…笑 ご意見本当にありがとうございます!!! (2021年1月3日 20時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - 間違えました、次作です (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - あと自作の話なんですが…私はまた煉獄さんの話が良いです!今度は甘い感じのがいいです…いやほんとにこれ以上やったら死ぬ← (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - ちょっと待ってください??私のおめめが大変な事になっているんですが…← いやほんとめっちゃ感動しました!!つらいです( ;∀;)でも面白かったです!完結おめでとうございます! (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - はりはりさん» ありがとうございます!!!!! (2020年11月29日 12時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2020年11月14日 18時

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