現実と幻覚の狭間 ページ12
「あ、しのぶさん。不死川さんは？」
「ああ、彼ですか？
今はもう一人で鍛錬なさってると思いますけど。」
「えっ」
不死川さんはあれからしのぶさんに診断してもらって異常がないってわかった瞬間に、寝台を飛び出して行った。
あまりに一瞬すぎて、誰も止めることが出来なかった。
だから、あの後大丈夫だったならいいけど。
「体力底なし……」
「まあ一日寝ていたくらいで彼が衰えるとは
思えませんからね。」
「はは。たしかに。」
「しのぶさん。不死川さん達に今回のことは言わないでください。」
「と、言いますと？」
「私があと数日で勝負に行くという話です。」
私がそう言うと、しのぶさんはあからさまに顔をしかめる。
「…………まさか、お一人で行かれるつもりですか？」
「はい。」
私が即答すると、しのぶさんは「はあ。」と溜息をつきながら額に手をやる。
わかってたよ。そう反応されるのは。
だけど、これは私がけりをつけないといけない。
今度は私がみんなを守る番だ。
もう傷つくのは私一人で十分なんだよ。
「大丈夫ですよ。
だって私達には"秘策"があるじゃないですか！」
なるべく明るくして言ったのに、それでもしのぶさんの顔色は変わらない。
むしろどんどん機嫌が悪くなっているような…。
「うまく行くという確証がないものにすがることはできません。
やはり、自分の力で倒すことを一番に考えておかないといけません。
Aさん。今のあなたの力一つでは到底満の鬼に敵うとは思えませ……」
「そんなの、ずっとわかってますよ。」
そんなの、わかってる。
私が弱いことはもう痛いほどわかってる。
だからこそ、もうここで終わらせたい。
弱い自分も。
弱い自分のせいで誰かが傷つくのも。
全部。
私の意思が伝わったのか、しのぶさんは少し目を開くと、眉を下げて微笑んだ。
……少し寂しそうな匂いがするのは気にしないでおこう。
「Aさん、私はあなたに死んでほしくないんですよ？」
「ッ…」
「だからせめて一人で行くのはやめてください。
あなたは自分のせいで傷つくのが嫌だと思っていますが、それと同じように私達だって、あなたが一人で傷つくのは嫌なんですから。」
「でも…」
「わかってます。不死川さんにも、他の方にも言いません。」
「え、？」
予想外の言葉に思わず声が漏れる。
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ななみ(プロフ) - #観音坂ゆるさん» ありがとうございます…(泣)ですよね…やっぱりちょっと酷な終わり方だと自分でも思いました…。やはり煉獄さんとちゃんと幸せになれる話を作らないとダメですよね？！うん！！私もそう思います！！これ以上持ちませんよね…笑 ご意見本当にありがとうございます!!! (2021年1月3日 20時) (
レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - 間違えました、次作です (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - あと自作の話なんですが…私はまた煉獄さんの話が良いです！今度は甘い感じのがいいです…いやほんとにこれ以上やったら死ぬ← (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
#観音坂ゆる - ちょっと待ってください？？私のおめめが大変な事になっているんですが…← いやほんとめっちゃ感動しました！！つらいです( ；∀；)でも面白かったです！完結おめでとうございます！ (2021年1月3日 2時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - はりはりさん» ありがとうございます!!!!! (2020年11月29日 12時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃっぱ195
| 作成日時：2020年11月14日 18時
