9話 ページ10
『……なぜ怪我をしたレディを
野郎しかいない家に運ぶんだ……？！』
「負傷者を事務所に運んで放置とかできねぇだろ。
瀬呂なりの優しさだと思うぜ。」
……まあ、たしかに。
何してくれてんの！…って怒りたかったけど、そういうわけにもいかないか……
「このままもうここに住んじゃえよ！」
『だから無理だって。
…瀬呂くんにはお礼を言っとくよ。』
「あ、おい。どこ行くんだよ。」
『目も覚めたわけだし、いつまでもここにいる
わけにはいかんでしょ。』
ベッドから降りて立ち上がれば、傷の痛みが襲ってきて思わず蹲る。
いたた…これ、傷口は塞がってるけどかなり痛いな…敵の個性の影響か…？
「まだ動いたらダメだろ。」
蹲る私に切島くんも同じようにしゃがんで背中をさすってくれる。
それでも動こうとお腹を庇いながら立ち上がれば、私の前に一つの大きな影ができた。
ゆっくりと顔を上げれば、そこには顔を歪めて私を見下ろす
『……瀬呂くん。』
瀬呂くんは何か言いたそうに口を開いては閉じ、そしてギリッと歯を食いしばって下を向いた。
『瀬呂くんは悪くないじゃん。』
「何言ってんだ。
……全部俺のせいだろ…」
『だから違うって。
そんなことより、そこ通してよ。』
「待てってA！」
瀬呂くんの横を通って、よたよたと壁に手をつきながら玄関に向かう私の後ろから切島くんが追いかけてくる。
そして肩に手を置かれた瞬間、私は反射的にそれを振り払っていた。
……もう、いいから…
『いいから放っておいてよ…っ
これ以上……私に優しくしないで。』
「A……？」
『家がない私に、ここに暮らすことを提案してくれた…
怪我をした私を、こんなに介抱してくれた………
もう、十分だよ……
だからお願い…これ以上、私に優しくしないで。』
また優しさに甘えて、傷つきたくない。
お願い…優しくしないで……
だって私は今、たしかに心を揺さぶられているんだから。
判断を間違えないように
早く
振り返る前にここから出なきゃ
早く、早く……
「そんな泣きそうな顔してどこ行くの。」
…あぁ、もうほんと
開いた玄関の扉から現れたソイツは、私の両肩を掴みながら顔を覗いてきて言う。
「ほんとお前、そういうところ"昔から"変わんねぇのな。」
『……電気。』
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ちゃっぱ(プロフ) - アキネコ。さん» 気づいてしまったようですな…(ﾆﾔﾆﾔ)相性良さそうな2人なのになーんで別れちゃうかね🥲(お前のせいやないかい) (2022年11月6日 23時) (
レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ。(プロフ) - ちゃっぱさん» うぉぉぉぉぉ。やっと好きってわかったのね。お母さん嬉しい(((え、このあとの展開ちょー気になる…。楽しみに待ってます!!!! (2022年11月5日 11時) (レス) @page50 id: 1ef8943118 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - ぴょんきちまるさん» きっと、かっちゃんにとったら運命なんでしょうね……ほら…3次元にいる我々も、運命の相手には何か感じるものがあるそうじゃないですか…ビビッとくるというか、なぜか目が離せないとか…理由がわからないけど！みたいな。……まあ私には無縁の話ですけど() (2022年11月5日 2時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - アキネコ。さん» 今まで他人のことろくに眼中に入れてきてないでしょうから、あのプライドの塊の男は。きっと女の子を好きになるという感覚がわかんないんですよねぇ…ムフフ♡どんなかつきも好きだぁ♡() (2022年11月5日 2時) (レス) id: e4dea0e6c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょんきちまる - …これは、運命の赤い糸ってやつなのか？！そーなのか？！波乱の予感がするわ…（？？🫠） (2022年11月3日 23時) (レス) id: 94182d8a2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃっぱ195
| 作成日時：2022年9月19日 2時
