104話 ページ6
"お前の方こそクソ敵みてぇな顔じゃねぇか。"
『クソ敵みたいな顔、ねぇ。』
「俺はまずその口の悪さにツッコみたいんだけど。」
『誰かさんの影響ですね。』
「付き合ってると相手に似てくるんだねぇ。」
「はい、これ。」なんて私に缶コーヒーを差し出してきた。
任務の合間にできたちょっとの隙間時間、ビルの屋上で一人夜風を浴びていたら知らぬ間にホークスも来ていたらしい。
「確かに、今日の君は敵みたいな顔してたよ。」
『………どんな顔ですか。』
「こーんな顔。」
ホークスはそう言うと、スンッ…と目から光を無くした。
「笑顔が売りじゃなかったっけ？」
『みんなが見てないからって思ったら急に笑えなくなっちゃって。
…あの日から私、どう頑張っても口角が上げられないんです。』
今だって、手で口元を上げるのすらしんどい。
私の体は笑うことに疲れたのかなぁ。
先輩、爆豪くん……
こんな私はやっぱりヒーロー失格だよね…。
『…爆豪くん』
思わず涙が出そうになって、私は膝を自分に寄せてそこに顔を埋めた。
今泣くのは違う。
何よりこのおちょくってくるホークスの前では絶対泣いてなんかやらない。
「今のシャイニーを知ったら、ファンの子たちみんなガッカリするだろうね。」
『……。』
「辛いことやるって自分で決めたんでしょ？
悪いけど、俺は生温い言葉かけるつもりないよ。」
『…ベテラントップヒーロー怖。』
「でも、力は貸してあげられる。
それを素直に受け止めるかは君次第だけど。」
『……貸してあげられる？
むしろ、私が力を貸す方の立場じゃ……』
「俺は今仕事だけの話してないよ。」
バサっ…と赤い羽が広がる。
そのままふよふよ…とゆっくり浮いていくホークスが月夜に溶け込む。
「確かに、生温い言葉をかけるつもりはない。
"トップ"ヒーローとしての意識を君にはしっかり持って欲しいから。
でも、一人の人間として、俺は君を独りにはしない。
……独りにされるのはばり辛か。」
ストンっと、私の目の前に着地して、膝を抱えて座り込む私の顔を覗き込むようにしてしゃがんでくる。
いや、面良、ほんで近い。
「爆豪くんに怒られんといいけど。」
そう言ったホークスの穏やかな笑顔は、ヒーローとしてじゃなく、一人の人間として笑ってくれたような気がした。
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あめみや(プロフ) - め"っ"ち"ゃ泣け"ま"す"(;_;)か"っ"ち"ゃん"ん〜〜 (2023年4月28日 17時) (
レス) @page37 id: a179dcb416 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - あおいさん» はじめまして…！♡一言だけどおっしゃらず、おっっもたいお言葉送っていただいても大丈夫ですよ？およよ？(調子乗んな)嬉しいです…ありがとうございます…！(泣) (2022年9月26日 19時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - しろごまさん» ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました…！(泣)駆け足気味だったかな…？と思いつつ、かっちゃんの心境の変化、それに伴う行動の変化を書くことができて安心しております(^^)そう言っていただけて嬉しいです(泣)ありがとうございます！！ (2022年9月26日 19時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - はじめましてなんですけど一言だけ失礼します…最高かよぉー！！！ (2022年9月20日 22時) (レス) @page50 id: 01cd2e0a3b (このIDを非表示/違反報告)
しろごま - 完結お疲れ様でした！最初は爆豪…って思ってたんですけど、続編まで行くとシャイニーちゃぁぁんー（号泣)になって、最後はもうほんとに二人共可愛すぎて言葉にならなかったです！とにかくほんとに面白い作品でした！他作品の更新応援してます！長文失礼しました💦 (2022年9月19日 19時) (レス) @page50 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃっぱ195
| 作成日時：2022年8月3日 0時
