55話 ページ6
「えぇ?悠仁が?」
「はい……あの、アイツ大丈夫なんですかね。」
大丈夫かなんて、五条先生に聞いても仕方ねぇのに。
こんなに不安に駆られてるのは多分…いや、絶対にAが絡んでるせいだ。
俺がいけなかった。
俺が中学生の時に、ケジメを付けていたら今頃2人を巻き込まずに済んだかもしれないのに。
「あ、今自分のせいだって思ったでしょ。」
「………事実ですから。」
「恵の悪いとこだよね〜。
全責任を自分で背負おうとするの。」
アンタも大して変わんねぇだろ。
表に出さないだけで。
なんて言葉は飲み込んで、ただ自分に感じる怒りを鎮めようと深呼吸をする。
「僕もなんとかしてみるけどさ。
恵、世の中には仕方ないってこともあるの。」
「これのどこが"仕方ない"で済むんですか。」
「誰もそれだけで済むとは言ってないじゃ〜ん。
凄いんだよ、この世界は。
色んな人がいるからさ、トラブルも起こるわけで。
全員がお互いを理解できたら苦労しないじゃん?」
急に何の話してんだこの人。
でも、なんか………
「理解しろとは言わない。
でも、寄り添うことはできる。
相手の考えを、一つの意見として素直に飲み込むことが大事だよ。じゃないとやってられないからさっ。」
「………はぁ。」
「大丈夫。教え子達を守るのが先生でしょ☆」なんてピースして、鼻歌を歌いながら歩いて行った五条先生。
ムカつく……あの調子でいつだって俺が見えていなかったことに気づかせてくるからな。
「寄り添う……素直に、飲み込む……」
俺に足りなかったものはなんなんだ。
あの時はもちろん、力が無かったというのは当然のことで。
それだけじゃなくて、ほかに何が……
「……俺には女心がさっぱりわからん。」
でも……お前なら、わかるんじゃないのか。
Aを守れるのはお前だけ。
やっぱりそれは間違ってないと思う。
俺は、裏からその手伝いをするまでだ。
まさか自分が好きな女のために、こうも必死になる日がくるなんてな。
なぁ、
虎杖。
「……頼んだぞ。」
「俺、一応宿儺の器なんだけど。」
絶対知ってるはずだよな…?
それなのにマジで言ってんのか……?
「何でもいいの。
私と婚約してくれたら。」
「……好きでもねぇやつとなんて嬉しくねぇだろ。」
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K - ヤバい。悠仁編の小説、これめちゃキュンキュンした。ありがとうございます!!私の好みにピンポイントで当たってる!!やばいこれには、沼った (2022年8月1日 6時) (レス) @page29 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 完結おめでとうございますー!!!新作ももちろん読ませていただきます! (2022年4月23日 17時) (レス) @page30 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» これには虎杖悠仁も感動のあまり、自ら涙を流しますよ。彼の涙加えたらもう完璧です。(?????) (2022年4月17日 21時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 涙で作った泉ですか…悪くないですな…ムフフ(既に手遅れ) (2022年4月16日 13時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» そうですよね………!これからもダンジョン化させていきますね。(やめろ)我々の愛溢れる涙で虎杖悠仁を崇めるための泉作りませんか?(マジで何言ってんのかわからん) (2022年4月12日 0時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2022年3月17日 20時