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【番外編】 ページ27

悠仁くんに出会ってから、何かあったら少し遠いけどこの路地裏に来るようになってしまった。






例えば、嫌なことがあった日とか。



例えば、近くを通った時にふと寄ってみたりとか。



例えば、どうしようもなく悠仁くんのことが好きで気持ちが溢れ出そうになった時とか。








その日もそういう感じだった。








「ミャー…」




『先客がいましたか。』






私の存在に気がついたその猫は、毛繕いをしていた手を止めてジッとこちらを見上げた。





小さい…まだ仔猫だ。





虎模様の虎猫で、くりんとした目で私を見るその顔は、どこか私の大好きな人に似ている気がする。







『ふふ…ここ、君も好き?』



「ミャ?」



『警戒心ないところは、似てないね。』





あの時の悠仁くんは、いつ襲ってきてもおかしくないような鋭い目つき、でもどこか虚な目をしていたのに。





でも、手を出してみると少し後ずさったからやっぱり警戒心はちゃんとあったみたいで安心。







『今日は雨だね。寒いから早くお家に帰りなよ?』






そう残して、今日は先客にその場所を譲ってあげた。




なんだか悠仁くんに早く会いたくなっちゃった。




私も早く帰ろーっと。



















『あれ、またいる。』






その3日後くらいに、なんとなく来てみたらまたいた。




でも、この前に比べて少し……






『あ……怪我、してる…』





思わず抱き抱えようとすれば、「シャーッ!」なんて威嚇された。




でも……周り見た感じ、親猫らしき猫はいないし…てか、そもそもこの子、もしかして親がいない…?







『私と…一緒なの?』





なんだか堪らなくなって、私は少し噛まれながらも小さなその体を抱えた。




そして初めて、全然肉がついていないことに気がついた。







『よし、一緒に帰ろう。』



「フーッ!」



『いだだ…噛まないで…』



















「…んで、連れて帰って来たと。」



『そう!……猫嫌い?』



「俺、動物大好き!」






病院に連れて行って、治療やらをしてもらって連れて帰ってくると、疲れたのかあまり反抗して来ない。




悠仁くんは目を輝かせて、「可愛いなお前!」なんて指を伸ばせば見事に噛まれていた。







「いってぇ…」



『里親とか探した方がいいよね…それまでどうしよう…』



「え?俺たちで飼うんだと思ってた。」



『えっ、』

.→←75話



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設定タグ:呪術廻戦 , 虎杖悠仁   
作品ジャンル:アニメ
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K - ヤバい。悠仁編の小説、これめちゃキュンキュンした。ありがとうございます!!私の好みにピンポイントで当たってる!!やばいこれには、沼った (2022年8月1日 6時) (レス) @page29 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 完結おめでとうございますー!!!新作ももちろん読ませていただきます! (2022年4月23日 17時) (レス) @page30 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» これには虎杖悠仁も感動のあまり、自ら涙を流しますよ。彼の涙加えたらもう完璧です。(?????) (2022年4月17日 21時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 涙で作った泉ですか…悪くないですな…ムフフ(既に手遅れ) (2022年4月16日 13時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» そうですよね………!これからもダンジョン化させていきますね。(やめろ)我々の愛溢れる涙で虎杖悠仁を崇めるための泉作りませんか?(マジで何言ってんのかわからん) (2022年4月12日 0時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2022年3月17日 20時

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