69話 ページ20
___2年後
「いいじゃん、俺らと遊ぼうよ。」
「や、やめてください…」
『……。』
なぜ、こうも私はこんな場面にばったり出くわすのだろうか。
絶対に神様は私のこと嫌いでしょ。
ゴロゴロと雲の上で雷が鳴る昼下がり、傘を片手に私は街中に馳せ参じていた。
『彼女嫌がってますよ。』
そして無視できない私も私なんだけど。
怯える女の子の前に立ち塞がれば、怪訝そうな顔をした後にニヤリと笑う。
「君、可愛いね。じゃあ君が俺たちと遊ぼ♡」
『すいません。彼氏いるんで。』
「いいじゃん、今ここにいないんだからさっ。」
おー、とんでもなくヤバいやつだった。
腕を掴まれた手から伝わる圧がやばい。
でも、ナメてもらっちゃ困る。
ﾄﾞｺｯ!!!
「いっ……！」
『ごめんなさい…！
行くよ！』
女の子を連れて走り出すと、「コラ待てやぁ！！」なんて言って追いかけてきた。
無様に股間を押さえながら。
『あなたはここに隠れて、少ししたら行ってください。』
「でも、あなたは……」
『私は大丈夫！』
何も大丈夫じゃないけど。
背中に冷や汗をかきながら、人混みで絶対にバレないであろう壁の後ろにその子を置いて私はまた追ってくる男たちにわかるように、表に出て走る。
ほんと何やってんの……！
明日には私も高校を卒業するから、クラスの友達と遊びに行こうとしてただけなのにっ……！
「逃がさねぇぞ！」
『ひいっ……！もう、体力の限界……』
少しペースを落としただけで、すぐに迫ってくるから止めたくても足が止められない。
やばい……もう、無理……
ｸﾞｲｯ
『うわっ……！』
突然、何かに腕を掴まれたと思えば、一瞬のうちに薄暗い路地に連れ込まれる。
ヤバい……他にも追手がいたんだ……ｯ
『やめ……〜ｯ！！』
言い切るまえに口を手で塞がれて、壁に追いやられるようにして、体が密着する。
怖い……やだ………
………あれ？
「しっ。まだ動いちゃダメ。」
待って
この声
この匂い
嘘だ………
「何やったらあんなおっかないヤツらに追いかけられるんだよ。」
呆れたように笑って、でも私を見下ろすその視線が優しくて
あぁ……嘘…今、目の前に……
『悠、仁く……ｯ』
「会いたかったぁ…！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
K - ヤバい。悠仁編の小説、これめちゃキュンキュンした。ありがとうございます！！私の好みにピンポイントで当たってる！！やばいこれには、沼った (2022年8月1日 6時) (
レス) @page29 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 完結おめでとうございますー！！！新作ももちろん読ませていただきます！ (2022年4月23日 17時) (レス) @page30 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» これには虎杖悠仁も感動のあまり、自ら涙を流しますよ。彼の涙加えたらもう完璧です。(?????) (2022年4月17日 21時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 涙で作った泉ですか…悪くないですな…ムフフ(既に手遅れ) (2022年4月16日 13時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» そうですよね………！これからもダンジョン化させていきますね。(やめろ)我々の愛溢れる涙で虎杖悠仁を崇めるための泉作りませんか？(マジで何言ってんのかわからん) (2022年4月12日 0時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃっぱ195
| 作成日時：2022年3月17日 20時
