65話 ページ16
「しかしお前、よく無事に戻って来られたな。」
私と伏黒くんで、悠仁くんが座るベッドの横でケーキを食べていると「それ俺のやつじゃね?」なんてじとーっとした目で見られる。
「1人じゃ無理だったと思う。…うま!」
「その言い方だと、他にもいたのか?同じようなやつが。」
「んーや、なんかよくわからんおっさんが助けてくれてさー…
あ!思い出した!笑顔がAにそっくりだったんだよ!」
……私に?
悠仁くんと伏黒くんが一斉に私の方を向く。
……ただ似てただけでは?
「伏黒、お前は何か知ってんじゃねーの?」
「いや、何も。
結局、俺より五条先生が何倍も権力駆使して裏から何かやってた……五条先生なら何か知ってんじゃねぇのか?」
「え?……あー、あの人ね。」
伏黒くんに呼ばれてやって来た昨日の目隠しした厨二病っぽい人が例の五条先生らしく、私を見るなり「昨日は悠仁とイチャイチャできた?♡」なんて聞いて来た。
「あんまAを困らせんなよ先生。」
「怒んないでよ〜。
…で、なんだっけ?」
「だぁから!そのおっさんが誰だったのか教えてほしいの!」
……とってもクレイジーな先生だ。
でも、仲がいいみたいで見ていて楽しい。
「あーはいはいそのことね。
その人は禅院家に仕えてるんだけど、数少ない信用できるやつだから僕が協力を仰いでね。名前は………あ、待って。電話だ。」
なんて自由な先生なんだ。
五条先生は電話を切るなり、「ごめん!用できちゃった☆」なんて立ち去ろうとする。
それに抗議するように悠仁くんが怒ると、五条先生は一旦立ち止まって、うーん…と考える素振りを見せた後、
「娘のことが大好きで、哀れな男さ。」
私の方を真っ直ぐに見て言った。
「一途な男って凄いよねぇ。
守るものができると何でもできちゃうからさ。」
他人事のように呟いた五条先生は「じゃあね〜。」なんてヒラヒラと手を振って消えて行った。
……なんだったんだろうか。
『結局誰だったんだろうね〜……悠仁くん?』
悠仁くんはボーッと、何かを考えるように一点を見つめていた。
だけど、私の声に我に帰るとヘラッと笑った。
「Aがヒーローに見える理由がちょっとわかった気がする。」
『何それ!』
「秘密〜。」
そう言って、大きな口を開けてケーキの最後の一口を食べた。
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K - ヤバい。悠仁編の小説、これめちゃキュンキュンした。ありがとうございます!!私の好みにピンポイントで当たってる!!やばいこれには、沼った (2022年8月1日 6時) (レス) @page29 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 完結おめでとうございますー!!!新作ももちろん読ませていただきます! (2022年4月23日 17時) (レス) @page30 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» これには虎杖悠仁も感動のあまり、自ら涙を流しますよ。彼の涙加えたらもう完璧です。(?????) (2022年4月17日 21時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 涙で作った泉ですか…悪くないですな…ムフフ(既に手遅れ) (2022年4月16日 13時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» そうですよね………!これからもダンジョン化させていきますね。(やめろ)我々の愛溢れる涙で虎杖悠仁を崇めるための泉作りませんか?(マジで何言ってんのかわからん) (2022年4月12日 0時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2022年3月17日 20時