61話 ページ12
雨に打たれた体はどんどんと冷えていく。
ふと空を見上げるとすでに太陽が昇りかけていた。
『……朝……あっ!』
ビシャンッ!
いった……派手に転んじゃった。
ぐわんと体が揺れて頭に鋭い痛みが走って、もう体中ボロボロだ。
ボロボロ……
『…初めて会った悠仁くんもボロボロだったなぁ。』
全身傷だらけで、冷え切った目でさ。
路地裏の暗くて狭い道に、一人でポツンといたんだよね。
猫とか…動物って、自分が傷ついてる時は人前に姿を見せず、一人で抱え込んで隠そうとするんだよね…って、この状況で何の話してるの。
『…………大丈夫、私が見つけるから。』
何回でも、私が見つけるよ。
君はいつも一人で責任を負おうとする。
君は自分のことを隠そうとする節がある。
ほんと…猫みたい。
『いや……あれは獣だな。虎とか?』
フラフラの体だけど、今度はしっかりとある場所を目指して足を進める。
そこにいるなんて保証はない。
でも……やっぱりわたしには悠仁くんセンサーでも付いてるのかな。
いる気がするんだ。
雨の中、また一人でポツンと。
狭い路地裏でさ。
傷だらけの体に、冷えた眼差し。
『…………大丈夫ですか?』
ゆっくりとこちらを向くように上げたその人は、大きく目を見開いた後
「やっぱり……来てくれると思った。」
あの時とは違う、暖かい表情で下手くそに笑った。
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K - ヤバい。悠仁編の小説、これめちゃキュンキュンした。ありがとうございます!!私の好みにピンポイントで当たってる!!やばいこれには、沼った (2022年8月1日 6時) (レス) @page29 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 完結おめでとうございますー!!!新作ももちろん読ませていただきます! (2022年4月23日 17時) (レス) @page30 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» これには虎杖悠仁も感動のあまり、自ら涙を流しますよ。彼の涙加えたらもう完璧です。(?????) (2022年4月17日 21時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 涙で作った泉ですか…悪くないですな…ムフフ(既に手遅れ) (2022年4月16日 13時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» そうですよね………!これからもダンジョン化させていきますね。(やめろ)我々の愛溢れる涙で虎杖悠仁を崇めるための泉作りませんか?(マジで何言ってんのかわからん) (2022年4月12日 0時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2022年3月17日 20時