50話 ページ1
「あの女は禅院家が俺に寄越した回し者だ。」
伏黒にそう言われたのが３日ほど前のこと。
どういう意図なんだよそれ。
俺の顔を見た伏黒が瞼を閉じると、重たそうに口を開く。
「…俺になんの価値を求めてんのか知らねぇけど、
その女と俺を婚約させようとしてたらしい。」
「ほぇ〜…そんな話マジであんだな。」
「だけど、その時俺はAと付き合ってた。
つまり…禅院家にとってAは邪魔な存在なわけだ。」
あれ…なんか、急に辻褄が合ってきたような気がして…
「……俺はその時、まだ何の力もねぇやつだったからこれしかできなかった。
Aを殺さたれたくないなら今すぐ別れろ、ってな。」
………なんだよ、それ。
伏黒はなんも悪くねぇだろ。
いや、俺なら………
「そうだ、だからお前だ。」
「え……？」
「あの女がまた動いてんなら、
Aを助けられるのはお前だけだ。」
「でも、伏黒お前……」
そんなに未練タラタラの顔で、傍観者になるつもりかよ__。
俺の言葉を遮るように伏黒は背中を向けた。
何も言うなってことか？
「……俺が婚約せずに済んだのは、五条先生のお陰だ。
あの人が裏で権力を使ってくれなかったら、俺は結局されるがままだったんだ。
Aを守る、なんて今更言えるわけがねぇ。」
「伏黒……」
「だからって、ただ見てるだけはごめんだ。
俺が禅院家の裏から叩く。
お前はその女がAに危害を加えねぇように誘導しろ。」
「お前、禅院家の回し者なんだろ？」
どストレート過ぎかもしれねぇ。
でも、その方が俺も都合がいい。
回りくどいやり方は多分無理。
ﾋﾟﾀﾘと動きが止まったのを、俺は見逃さない。
まあ、ここで何を言われたってお前の正体は知ってるわけで……
「仮にそうだとして、私の目的は何だと思う？」
「え、」
「伏黒くんに近づくため？……違う。
Aちゃんを消すため？…それも違う。
私が真のヒロインになるために、私はここにいるの。」
何、言ってんだコイツ…。
不気味なほどに満面の笑みを浮かべるのを見て、久しぶりに背中に悪寒が走った。
まるで俺は金縛りにでもあったかのように動けなくなって、伸びてきた白くて華奢な手がﾋﾔﾘと俺の頬を撫でた。
ｿﾞｸｯ
「だから、
今度は君が欲しいの。」
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K - ヤバい。悠仁編の小説、これめちゃキュンキュンした。ありがとうございます！！私の好みにピンポイントで当たってる！！やばいこれには、沼った (2022年8月1日 6時) (
レス) @page29 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 完結おめでとうございますー！！！新作ももちろん読ませていただきます！ (2022年4月23日 17時) (レス) @page30 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» これには虎杖悠仁も感動のあまり、自ら涙を流しますよ。彼の涙加えたらもう完璧です。(?????) (2022年4月17日 21時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 涙で作った泉ですか…悪くないですな…ムフフ(既に手遅れ) (2022年4月16日 13時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» そうですよね………！これからもダンジョン化させていきますね。(やめろ)我々の愛溢れる涙で虎杖悠仁を崇めるための泉作りませんか？(マジで何言ってんのかわからん) (2022年4月12日 0時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃっぱ195
| 作成日時：2022年3月17日 20時
