【番外編1】 ページ35
『……いつもより近いですよね?』
「海外のカップルってこれくらいじゃない?」
『私たちジャパニーズなんで。』
近い、と言ったけど正直近いどころの話じゃない。
日本ではこうして2人で出歩くことがなかったこともあるのかもしれないけど、今日はサングラスをかけたこの男は私の肩に手を添えて隣を歩いてやがる。
まぁ…別に嫌じゃないんだけど、なんて言えば調子に乗るだろうから心の中で留めておく。
「僕さ、1時間後にまた任務行かなきゃなんだけどどうしたらいい?」
『行けばいいじゃないですか。』
「えー寂しい。行きたくなーい。」
『…めんどくさ。』
だからって私にどうしろと?
そんな目で彼を見れば、「さっきまであんなに優しかったのに!」なんて泣きつかれる…本当に面倒くさい。
「…あ!Aも来て!」
『………はい?』
『……任務、とは?』
1時間後、結局私が折れて彼に着いて行くと辿り着いたのはどっからどう見てもアイス屋さん。
海外慣れしているのか、慣れた口調で注文する姿は普通にカッコよくて思わず見惚れていた。
…じゃなくてだな!
「んー、やっぱこっちの味は違うねぇ。」
『そうですねぇ…じゃないんですよ。
任務は?!』
「んー?終わった。」
『えぇ?』
終わったって…いつの間に?
呆気に取られている私をよそに、「一口ちょーだい!」なんて私の手から無理やりスプーンを取ってそのまま口に運ぶ。
彼曰く、「道中にそこを通ったから、周りに人がいないのを確認して秒殺した。」とのこと。
私でも気づかなかった…やっぱりこの人は色々とヤバい人だ。
「今日はこれで終わりだから、いっぱいAと楽しめるね♡」
『……大丈夫、なんですか?』
五条悟は私の言葉に一瞬止まったかと思えば、「何がー?」なんて気の抜けた返事をするし。
ナメないでいただきたい。
あなたに再会した瞬間から、珍しく目の下に隈をうっすら作っていたのを私が見逃すとでも?
『海外満喫するのを付き合ってくださいって言ったのは私ですけど…やっぱり休んでください。』
「何の話?僕全然元気なんだけど。」
『そういうのいいですから。』
「そういうのじゃなくて、僕はAが近くにいれば本当に疲れなんて吹っ飛ぶの。」
この人はなぜそんなことを恥ずかしげもなく言えるのだろうか。
もはや尊敬の域だ。
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きのこ姫(プロフ) - 禪院が禅院になってますよ〜 (3月8日 10時) (レス) @page6 id: 5521fd53c5 (このIDを非表示/違反報告)
園実(プロフ) - 言葉の使い方がおかしい所が多すぎて… (2022年2月14日 6時) (レス) @page18 id: 583543dbeb (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - ayastさん» ありがとうございます…!そう言っていただけて本当に本当に嬉しいです…(涙)この作品を見つけてくださり心より感謝しています^_^ (2022年2月12日 21時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
ayast(プロフ) - 連載お疲れ様でした!!お話大好きでした! (2022年2月9日 23時) (レス) @page35 id: af36fdec29 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - はなさん» わわわ…!本当ですね!教えていただきありがとうございます🙇🏻♀️ やっぱリップ、、じわじわきます…www (2022年2月5日 22時) (レス) @page25 id: 960672bf5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2022年1月20日 21時