24話 ページ25
「Aのやつ、本当に上手くなったな。」
切島にそう言われて、俺はステージ上で楽しそうに踊るAを見下ろした。
安心した。
寝る間も惜しんで練習してたからな。
上達したことよりも、俺は楽しそうに踊れていることに心からホッとした。
「轟、オメー今すげぇ優しい顔してんぞ。」
「え、」
「やっぱ彼氏なんだな!」
「………そうか?」
俺の言葉に切島は「そうか?ってお前なぁ…。」と苦笑した。
俺はAに好きになってもらいたい。
自信を持っていたつもりだったが、最近は爆豪のあの言葉をきっかけにどうすればいいのかわからなくなりつつあった。
でも……そうか。
「……俺は、Aが安心して笑って暮らせるなら何でもする。」
「何か言ったか?」
「何でもねぇ。」
アイツが笑えるなら、俺は好きになってもらえなかったとしても、最後まで"彼氏"という役割を全うしようと思う。
「Aさん可愛かった!」
「ねぇ!この後俺らと回らない?」
「……。」
片付けをしていると、Aが他のクラスのやつらに絡まれてるのを見つけた。
困っ……てるよな?
いや、それ以上に俺が無理だ。
「悪いが、この後は俺と回る約束してんだ。」
『あ、轟くん。』
そいつらとAの間に割り込めば、後ろからはAが俺を見上げていた。
………可愛いな。
「と、轟……す、すまん!」
「なんであんな顔してたんだ?」
『…それは、今の轟くんの顔がちょっと怖かったからだよ。』
『助けてくれてありがとね。すぐ片付けするから!』と戻ろうとするAの腕を衝動的に掴む。
なんだこのモヤモヤは。
『どうしたの?』なんて俺を振り返るAにどうしようもない気持ちが込み上げてくる。
やっぱり俺はAが好きだ。
Aの笑顔が見たい、とか綺麗事を言ったって、結局俺は自分の欲が溢れ出る。
「………ダンス、よかったぞ。」
『轟くんが励ましてくれたおかげだよ。
ありがとう。』
「俺は言ったからな。
お前があんまり本気を出せば、ファンができちまうって。」
『あー…でも、さっきの人たちは別にそんなんじゃ…
わ…ッ!と、とと轟くん?!』
俺より小さい体を強引に引き寄せた。
こんなことをしたら嫌われるかもしれねぇ。
でも、もう無理だった。
俺は俺が思っている以上にAが好きみてぇだ。
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天気 - めちゃ面白い!どうしてこんなにも面白いのが作れるんだ! (2022年5月31日 22時) (レス) @page42 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - チャリン!さん» ブシャー!!!した鼻血はぜひ、ちゃっぱ家までお願いします^_^(???)キュンキュンしていただけてよかったです…ありがとうございます!!! (2022年3月14日 22時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - まろんさん» ありがとうございます!!きゅんきゅんしていただけて安心しました…。えぇ…!登録してくださるんですか🥺嬉しすぎて禿げそうです…ありがとうございます(泣)えぇ…あの人です…あやつです… (2022年3月14日 22時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - かほさん» ありがとうございます…!わわわ…そう思っていただけたことが何より嬉しいです…(泣)最後まで見ていただき本当にありがとうございました!次回作まで…!ありがとうございます🥲 (2022年3月14日 22時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
チャリン! - 完結鼻血ブシャーーーーーーーーーよ?キュンキュンしすぎて心臓の音がうるさい、次回作楽しみにしとるよぉ〜! (2022年3月14日 19時) (レス) @page48 id: 4f44d2c38e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年12月28日 14時