26話 ページ27
「……。」
『なにー?』
「……………。」
『…本当にどうしたの?』
連絡通り、私よりも遅い時間に帰ってきた悠仁くんは帰ってくるなり、ずっと私のそばを離れようとしない。
それだけじゃなくて、何かを言いたそうにずっと私の顔を見てくる。
すごく…居心地が悪い。
『言いたいことがあるならハッキリ言って!』
「!
ご、ごめん…。」
『ングッ!』
謝ってきたかと思えば、今度はギュウッ…と私を抱きしめ始める。
もはや苦しい領域にもある力加減に、腕を叩いて訴えれば案外あっさりと離れてくれた。
にしても…様子が変だ。
「………なぁ、なんで伏黒と付き合ってたの?」
あぁ…それが聞きたかったのか。
にしては凄く苦しそうな表情してる…。
どこからどこまで言えばいいのか……
悠仁くんに何を言えばいいのか、この時の私はわからなかった。
信用していなかったわけじゃないし、むしろその逆なんだけど……
…なんとなく、悠仁くんに元カレの話を持ち出したくないっていうのが一番…。
「…言えねぇの?」
『あ、いや…そうじゃなくて。』
「俺はダメで、伏黒はいいの?」
『何言って……きゃあッ?!』
突然抱えられたかと思えば、ソファに降ろされてその上には悠仁くんが跨るようにして私を見下ろしている。
その瞳はいつもの優しい悠仁くんじゃなくて、ただ冷たくて、そしてどこか動揺しているかのように動いていた。
「……何があったのか知らねぇけど、伏黒だけ知ってて俺が知らないのは嫌だ。
それがAに関わる大事なことなら、尚更。」
『な、んで……』
「俺がAのこと……ッ!」
そこで言葉を止めた悠仁くんは、ハッと目を見開くと数秒経ったあとに閉じた方をもう一度開いた。
「……大事、だからだよ。」
"大事"、か。
嬉しい…けど、なんで少しだけ寂しい気持ちになってるんだろう。
でも、一緒に暮らしているんだから……。
『……引かないでね?』
「………うん。」
『…中学の時、親がいないっていう理由で嫌がらせを受けてた時があったの。』
「は……?」
聞き捨てならないというように目を再び見開いて、そして眉間に皺を寄せた悠仁くん。
まあ…悠仁くんならそういう反応するよね。
『…その時助けてくれたのが伏黒くんだった。
それで、その人達を寄せ付けないって理由"も"含めて付き合ってた。』
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美悠 - ちゃっぱさん» じゃあ洪水のように泣きますねw(え?)続編おめでとうございます!!! (2022年3月17日 20時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 大丈夫です。その涙、受け止める覚悟は済んでます。地中海の底までサヨナラしたいですよねっ♡() (2022年3月17日 19時) (レス) @page50 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - 読んでて泣きそう…どっちもいい子すぎる…とりあえず紗里ちゃんは沈めてきます…☆(野蛮) (2022年3月14日 23時) (レス) @page48 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 優等生と思わせておいてからの、その見た目に反してってやつですよね…あぁ、好きぃ (2022年3月14日 1時) (レス) @page48 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 恵ちゃんは美形でクールですけど、実は元ヤンなところ凄くポイント高いんですよ笑 (2022年3月11日 21時) (レス) @page46 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年12月26日 0時