41話 ページ42
ひとりぼっち。
隣にいてくれたはずの人が一瞬で消える。
お父さんがいなくなったあの時も
伏黒くんが離れて行ったあの時も
……悠仁くんが消えてしまった今回も
リビングのテーブルに置いてあったのは、一つの小さな紙切れだった。
"俺のことは探さないで"
『………なんで。』
ただ、悔しくて悲しくて。
悠仁くんが何を考えているのか、ちゃんと聞いておけばこんなことにはならなかったのかな…とか
自分の行い全てが後悔でしかない。
いつも、
きっと…私が、いつも悪いんだ。
『悠、仁……くん……ッ……』
prrr prrr
もしかして……悠仁、くん……?
泣きそうなのを堪えて、鳴り響くスマホに手を伸ばせばそこに映し出されていたのは期待したいた人ではなくて。
『……もしもし。』
「急にかけたりして悪い。
今虎杖いるか?連絡がつかなくて……」
『……………ねぇ、伏黒くん。
どうして私が好きな人って、いつも離れて行っちゃうんだろう。』
「え…A?」
『私、悠仁くんのこと好きなのに……大事なのに…ッ
何もわかってなかったよ……』
そう……私は悠仁くんのこと、こんなに好きなんだ。
そばにいることが当たり前すぎて
この気持ちが伝わってしまったらこの関係が崩れてしまう気がして
これ以上距離を縮めてしまうことがきっと
ずっと、怖かったんだ。
「A……何があった。」
近くの公園に来てくれた伏黒くんは、ベンチに座る私を見て、そして地面に膝をついて下から顔色を見てきた。
その顔が優しくて…あぁ、"あの時"もそんな顔してたっけ。
『………わかんない。
朝起きたら、悠仁くんがいなかった。』
「連絡…はついてねぇか。」
『私、どうしたらよかったんだろう…。
ずっと悠仁くんの考えていることがわからなくて、
その内を聞くのが怖かった…。
伏黒くんの時みたいに…もう間違えたりしたくなかったから。』
それだけ言うと、目の前の伏黒くんは顔を歪めた。
そんな顔をさせたかったわけじゃない…けど。
……でも、私にとって消えない大きなトラウマが中学のあの時だから。
『……私、悠仁くんのこと好き。』
「………知ってる。」
『多分、悠仁くんと出会った時からそうだった。
彼の何かに惹かれて、導かれてた。』
「……安心しろ。
その気持ちはよく知ってる。」
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美悠 - ちゃっぱさん» じゃあ洪水のように泣きますねw(え?)続編おめでとうございます!!! (2022年3月17日 20時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 大丈夫です。その涙、受け止める覚悟は済んでます。地中海の底までサヨナラしたいですよねっ♡() (2022年3月17日 19時) (レス) @page50 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - 読んでて泣きそう…どっちもいい子すぎる…とりあえず紗里ちゃんは沈めてきます…☆(野蛮) (2022年3月14日 23時) (レス) @page48 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 優等生と思わせておいてからの、その見た目に反してってやつですよね…あぁ、好きぃ (2022年3月14日 1時) (レス) @page48 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 恵ちゃんは美形でクールですけど、実は元ヤンなところ凄くポイント高いんですよ笑 (2022年3月11日 21時) (レス) @page46 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年12月26日 0時