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37話 ページ38

「……ねぇ、ほんとに付き合ってないって言えんの?」


『……はい。』


「今なら弁解の余地をあげるけど。」


『弁解することが何もないんだ。』




私たちは放課後、学校の玄関を出てすぐのところで正門を見つめながらそう静かに話した。





昨日も今日も、悠仁くんが当たり前のように送り迎えをしてくれるようになったのだが。




私は内心すっごく嬉しいんだけど、隣に並ぶ友達の顔が見れない……。





「ナイトだね、アンタの彼氏。」


『だから彼氏じゃないってば。』


「はいはい、じゃあ私バイト行くから〜。」


『あ、うん。気をつけてね。』






信じてくれてないんだろうな…もう何でもいいや。



去って行った友達を見送って、悠仁くんの方へと歩けばいち早く気づいて手を振ってくれる。





…キュン







『…ねぇ、最近なんで送り迎えしてくれるの?』





帰りの道中に思い切って聞いてみた。


悠仁くんは「嫌だった?!ごめん!」と謝る。





『嫌、じゃなくてむしろ嬉しいんだけど……』


「え…?!」


『え?』


「あ、ごめん。何でもない…。
あー…嫌じゃないならこれからもこうさせてよ。」





……危ない、鞄落とすところだった。


そんなの…なんか、色々勘違いしそうになるから困る。




わかってる、"ただの"善意なんだよね。



その経緯が知りたくはあるけど…。






『あ、ねぇ。今日さ……』




ピタッ




『…えっ、と……悠仁くん?』





急に足を止めるから何事かと、私も止まって後ろを向く。


悠仁くんは真っ直ぐに前を見据えていた。




何が、ある………





「A、本買いてぇから着いてきて。」


『わっ…!え、うん……』





急に腕を引かれて、さっき来た道を逆走して行く。


なんだ…買いたいものを思い出しただけか。





と、呑気に考えながら悠仁くんについて歩く。




ブー ブー




『携帯鳴ってるよ。』


「え、ほんとだ。」





だけど、悠仁くんはスマホをポケットから出すなりしばらく考え込んだ後、鳴りっぱなしのまま再びポケットに突っ込んだ。



…なんか、変なの。





結局、本屋さんで何も買わずに帰って来たし。






「A〜、お願いがあんだけど。」


『なに?』


「俺と外歩く時、手ェ繋いでくんない?」


『いいよ〜……




へ?!』




と思ったら、とんでもない発言するし。





キュッ…




「ッ…。
手、ちっせぇな!」


『悠仁くんが大きいだけだよ…。』

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設定タグ:呪術廻戦 , 虎杖悠仁   
作品ジャンル:恋愛
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美悠 - ちゃっぱさん» じゃあ洪水のように泣きますねw(え?)続編おめでとうございます!!! (2022年3月17日 20時) (レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 大丈夫です。その涙、受け止める覚悟は済んでます。地中海の底までサヨナラしたいですよねっ♡() (2022年3月17日 19時) (レス) @page50 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - 読んでて泣きそう…どっちもいい子すぎる…とりあえず紗里ちゃんは沈めてきます…☆(野蛮) (2022年3月14日 23時) (レス) @page48 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 優等生と思わせておいてからの、その見た目に反してってやつですよね…あぁ、好きぃ (2022年3月14日 1時) (レス) @page48 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 恵ちゃんは美形でクールですけど、実は元ヤンなところ凄くポイント高いんですよ笑 (2022年3月11日 21時) (レス) @page46 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年12月26日 0時

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