ある日、私にセコムができた【五条悟】

19話 ページ20

"あなたがいると家の空気が暗くなるのよ。"




『やめて……』





そんなこと、私が1番わかってるから……ｯ







"「どうして産んでしまったのでしょう…」"


"「お前は悪くないよ…。」"






そう全部、全部私が悪いから…


誰も責めないであげて……お願いだから…ｯ





"『私が全部悪いんだ。』"





そう自覚した日から、私に太陽の光なんて当たらなかった。




苦しい…辛い……なんで、なんで私だけ……ｯ












"「俺を信じろ。」"








ｶﾞﾊﾞｯ




「大丈夫？」


『ﾊｧｯ……ﾊｧｯ…！』






夢………




勢いよく起き上がった私の隣には心配そうに顔を覗く五条悟が………





『……っておい、なんで布団に潜り込んでやがる。』


「え、だって今日寒いじゃん？」


『理由になってねぇ……』


「そんなことより、かなりうなされてたけど。
嫌な夢でも見た？」






そんなことよりって……！


でも、背中をトントン…と優しく叩いてくれる五条悟に、悔しいけど心が落ち着く。





「水持ってこようか？」


『…いえ、大丈夫です。』





何より安心するのが多分この声。


さっきも出てきたこの声…あれは五条悟なのだろうか。





そうだとしたら……私は…彼は……





『一体………』


「……。
そこに呪霊がいたんだ。多分そいつのせいだね。」






「僕が祓ったからもう大丈夫だよ。」と再び私を横にさせてわざとらしく羊を数え始めた五条悟にイラつきつつ、眠気が襲ってくるんだから悔しいにも程がある。






「夜更かしすると肌荒れちゃうよ〜？」


『わかってます…！！』




煽るように言う五条悟に全部馬鹿馬鹿しく思えてくるわ…！



ふん、すぐに眠ってやるもん。



1分足らずで私は再び夢の世界に行くことになる。





「…。」



この時の五条悟の真意を誰も知らない。














「うわぁ…今日もカッコいいねぇ。」


『山本さんですか？』


「え、僕が。」


『新しい茶番辞めてもらっていいですか。』






結局いつもの調子に戻るんだよな、この人は。



呆れつつ、無駄に同情をしてこないから案外楽かもしれない。




「飴ちゃんいる？」


『歯磨きしたんでいらな、』


「このイチゴ味美味しいよ！はい！」


『話を聞け…』




撮影まであと10分なのに…

仕方なく受け取ってポケットに突っ込んでおいた。




『あの…』





____あなたは誰？







「ん〜？」


『…いえ。』

20話→←18話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す