17話 ページ18
五条悟のことを全然知らなかったから、少しだけ知ることができて面白いはずなのに、なんでこんなにイライラするんだろう。
私の体調がなんとか回復して撮影が再開しても、どうしてもさっきの話が脳裏をよぎって仕方ない。
『心を許した"子"って、やっぱり女の子だよなぁ。
あの五条悟を手懐けた女……気になる。』
「何の話？」
『山本さん…！いや、な、なんでも！』
背後から不審な目を向けた山本さんは「そう？」と不思議そうな顔をした。
……あ、ダメだ。背後に気をつけろって言われてたんだった。
さりげなく山本さんの横に並ぶと、少し目を見開いた後、少しだけ頬を緩めたような気がした。
セコムしてもらってるからって、なんでこんなに私が五条悟に忠実にならないといけないんだ…！
『ますますムカついてきたぁ…！』
「体調優れないの気づいてあげれなくてごめんね。」
『え、あぁ…！そのことはほんと気にしないで大丈夫ですから！』
そう言っても山本さんの顔は晴れない。
この人はあんな白髪で変人な野郎と違って、とっても優しい人なんだろうな。
「なんか太ったぁ？」
『………ﾁｯ。』
ほらね！
家に帰ってきて、とりあえず水でも飲もうとキッチンに立てば後ろから腕を回してフニフニとお腹を触る変態野郎。
『誰も触っていいなんて言ってません。』
「じゃあこの手払い除けたらいいじゃん。」
『今そうしてるんですけど…？！』
払い除けたくても腕の力が強すぎてびくともしない。
もういい…好きにしてくれ。
諦めモードで私は力を抜けば、待ってましたと言わんばかりにグイッと後ろに引きつけられる。
『……は？』
「うわ、首元冷たいねぇ。」
『いやいや、何やってんだ。』
「見たまんま〜。」
そういうことを聞いてんじゃないのよ！
五条悟は私の首に顔を埋めながらますます力を込めると、私が痛くないくらいでギュッと後ろから抱きしめる。
ドクドクと自分の心臓がうるさい。
うん、私が男慣れしていないことが原因であって、これは決してドキドキではなくただ緊張しているだけよ。
「ねーねー……。」
『…何ですか。くすぐったいのでそこで喋らないでください…！』
「………やっぱいいや。」
それだけ言うと本当に喋らなくなった彼はしばらくの間私を抱きしめ続けた。
正直、振り解ける力加減だった。
でも、私はなぜか出来なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1538人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃっぱ(プロフ) - きのこさん» ありがとうございます…！頑張ります！🔥 (2022年1月20日 20時) (
レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - 更新楽しみにしております。ファイトです。！(*'▽') (2022年1月20日 1時) (レス) @page44 id: 745e8e7bf1 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - れいなさん» この作品に関しては自分もよくわからなくなる時があるくらいなぜ構造が難しいんですよね…(え？)キスシーンドキドキしてくださいました…？！あのプルプルの唇にぜひ蝕まれた…(黙れ)私も大好きなので定期で狼化(?)させてますこれからもします。ありがとうございます^_^ (2022年1月14日 23時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
れいな - どの作品も奥が深くて「早く早く！続きどーなんの？！」ってドキドキしてます！一番ドキドキした所は、……キスシーンですよね？！あーゆー呪術キャラが狼になるシーンホントに大好きです！個人的に山本さん怖いですねぇ…。リアルにいそう…。更新頑張ってください！ (2022年1月11日 15時) (レス) id: 26dbc1a5ab (このIDを非表示/違反報告)
れいな - れいなです！「雨の日に虎を拾った」の作品から来ました!ちゃっぱ様の作品がどれも素晴らしいです！個人的に呪術キャラがアタシ好みですしww五条先生の作品の中でトップレベルに好きな作品です！こんな素敵な作品達を作れるちゃっぱ様はどうなってるんですか？！ww (2022年1月11日 15時) (レス) id: 26dbc1a5ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃっぱ195
| 作成日時：2021年8月26日 18時
