57話 ページ10
頭痛い………なんか、体も痛いし冷たい……
ゆっくり瞼を開ければ、私は硬い床の上で横になっていた。
周りは薄暗くてよく見えないけど、手を紐でくくられているあたり、やっぱり私は誘拐されたって感じだろうか。
『くっそー…宇髄さんと伊黒さん許さん。』
こういう状況に慣れつつある自分が怖いな。
とりあえず上体を起こして座ってみる。
足は自由みたいだ。縛られてるのは手だけ、か。
ガンッ!!
『やっぱそう簡単には壊れないか。』
扉を蹴ってみてもびくともしない。
はいはい、大人しく座っときますよ〜……
『うわっ!』
「きゃっ………」
何かにつまづいた時、近くから女の人の声がした。
薄暗くてよく見えなかったけど私以外にもいたのか。
『すみません、もしかして足に当たりました?』
見えない相手に謝ると、「あ、いえ…お気遣いなく…」とか細い声が聞こえてきた。
やっぱり………今話題の女性誘拐事件の被害者か。
そして、私も。
『あの、ここどこかわかります?』
「いえ…私も気がついたらここにいた感じなので。」
『ですよね〜…はぁ。何でこんなことに。』
床に腰を下ろして、静かな時間が流れる。
これからどうしようか。
ポケットに入れてた携帯もないし。
連絡手段ゼロ、か。
「あ、の……これから私達どうなるんでしょうか…ッ」
『ッ…!』
その女性は突然、震えた声で言った。
そうだよね…突然誘拐されて、これからどうなるのか不安で堪らないよね……。
『…きっと大丈夫です!!
助けが来ますから!』
「なんで…わかるんですか……」
『そ、れは………』
元気付けたつもりが逆効果になったー…!
でもその時、頭に浮かんだのはあの強すぎる9人の集団。
『絶対に大丈夫。』
力を込めて言えば女の人は「そう、ですか…」とさっきよりも幾分か落ち着いた声で呟いた。
その時、外からわずかな光が差し込んで女の人の顔を照らした。
『………あら?』
その綺麗な顔立ち、どこかで見たような気が………
ガチャ
「おい、出ろ。」
『ちょっと…!逃げないから乱暴にしないで!』
私のその女の人は男によって外に連れ出される。
どこに向かっているの。
「やぁ、初めまして。」
辿り着いた大きな空間にその男は優雅に座っていた。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←56話
85人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃっぱ(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» と、冨岡さーん……!!すみません……!土下座でもなんでもしますのでどうかあの2人を責めないでください…いや、あの2人が100パー悪いっすね。締めちゃってください(え?)更新頑張ります^_^ (2021年7月19日 20時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
義勇と杏寿郎推し - 夢主は?外に出た?待て、俺は(外に)出るなって言った…。伊黒、宇髄謝罪しろ…。冨岡義勇だ。続き楽しみにしてる。 (2021年7月19日 19時) (レス) id: 2a3c5f3e4e (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 澪凪さん» ありがとうございます(泣)楽しみにしていただけていることがとても嬉しいです……更新頑張ります^_^ (2021年7月19日 14時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!楽しみにしてます!! (2021年7月9日 21時) (レス) id: 279a2ef6a9 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 義勇と杏寿郎推しさん» むふふ…そう言っていただき私までなんだか嬉しいです^_^今日も推しが尊いってやつですね(え、) (2021年7月6日 8時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年7月4日 2時