37話 ページ38
「あなたのせいですからね。」と凄い睨んで七海に説教されたのは、Aが七海と飲んでいた日だった。
またもや七海から酔い潰れたAの介抱をしろと凄い圧で言われるから来てみたらこれだ。
「で、そのAは?」
「部屋で寝てますよ。あれは二日酔い確定でしょうね。」
「お前も大変だなぁ。重いよなアイツ。」
けど七海は顔を曇らせた。
「…以前も運びましたが、体重激減してましたよ。今日だってあなたのことで泣きながら飲んでたんですから。」
「は?どういうことだよ。」
「ご自分で確認してはどうですか。
これ以上あなたたちのいざこざに私を巻き込まないでいただきたいですね。」
うわ、怒ってる。
帰った七海を見送った後に、寝室に行ってみればそこには規則正しい寝息で熟睡する愛しい姿があった。
「…だから会いたくないんだよ。」
ベッドの淵に腰掛けて柔らかい頬を撫でれば『ん…』と声が漏れてくる。
それだけで僕を翻弄させるんだから凄いよね。
Aの様子がおかしかったあの日、夜には元通りになっていたけどやっぱり心の中には僕の親友が居続けていた。
それを身を持って感じて、遂に心を折られた気がした。
だから僕は伊地知にこれからのAの任務についてと、七海には「Aのこと頼んだ。」とだけ伝えた。
他の女とヤればちょっとは解消されるかなあ、なんて思ったのに逆効果だった。気持ち悪かった。
だけどもう…これ以上Aを縛ってはいけないよな。
『…………悟、行かないで……』
「ッ…A?」
寝言の割には、割としっかり掴まれる僕の服。
なんなんだよ…僕をどうしたいんだよ。
だから、もう会いたくないんだ。
Aの一言で僕はどうにでもなってしまうからね。
.
「だからって、二度と会えねぇようになるのは早すぎんだろ!!」
やっとのことで行き着いた先には、伊地知が今にも泣きそうな顔であたふたしていた。
肩を鷲掴んで「Aは!」と聞けば少し先の帳を指さした。
何の躊躇いもなく帳を勢いよくくぐり抜けると、強力な呪力が漂う。
これは呪霊のか。
……Aの呪力が消えかけてんじゃねぇか。
「おい、お前今何しようとした。」
Aの体が貫通する直前に、呪霊をなんとか止めることはできた。
「雑魚が調子のんな。」
急いでAを抱き抱えても、まるで人形みたいに手足に力がなかった。
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ちゃっぱ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして!コメントありがとうございます^_^ オチは作成当初から決めています!ネタバレになってしまうのでオチをここで言うことは出来ませんが、完結間近ですのでぜひ楽しみに待っていただけると嬉しいです( ; ; )ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年6月23日 22時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年6月23日 19時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年5月3日 14時