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28話 ページ29

フラ……



建物のから何かが出てくる。

七海と一斉に戦闘態勢に入った、




いや、この呪力とこの雰囲気は




「A。」


『…………悟?』




目立った傷はない、血も出てない。


だけど、



『………………さと、る……』


「どうしたの。」


『悟ッ………』





目に光がない、泣きそうな声で全然泣かない。


力なくに寄りかかるAをそっと抱きしめた。


一体何があったんだよ。




「…私が中を確認してきます。
五条さんはAさんを。」


「ヤバかったら呼んで。」




中に消えていった七海を見送ってから、近くにあった木の木陰にAを座らせて背中をさする。




Aがこんな風に憔悴したことなんてあったか?


いや、一回だけあった。


傑が予想せぬ道に進んだ時だけだ。




『……………悟、あのね。』


「ゆっくりでいいよ。」


『傑は、死んだんだよね……?』




…は?何急に。


そんなこと、去年お前だって……




『ううん……傑は死んだ。でも生きてる…。
この世界には何でもありなのかな…。
もうわかんない……私一体どうしたら……ッ』



「落ち着いて。
何があったか話せる?」


『ううん……大丈夫。』




大丈夫とか、そういうことを聞いてんじゃねぇんだこっちは。


そもそもそんな姿で現れて、理由も聞かずに納得できるやつがいるか。



だけど、生憎僕も一応最強の呪術師をやってるわけでAの口から出たワードでさまざまな憶測が頭の中を駆け巡る。




まさか、な。

一番考えたくない考えは僕の中で抹消した。





『悟……お願い…そばにいて…
私このままだと、おかしくなりそう…』




力なく、ギュッと僕の服を掴むAにこんな風にしたやつを今すぐにでもねじ伏せてやりたい気持ちと、今すぐにAを抱えて消えてしまいたい衝動に駆られる。




「………心配しなくとも、いつも近くにいるじゃん。」






ああ…僕ってほんと性格悪いよ。


初めて自分から僕を求めてくれたAを今、早く僕のものにしてしまいたいって思ってるんだから。






だけど、しばらくして出てきた七海の口から報告されたのは「何もいなかった。肝心な主犯の残穢はなく、ただこれだけが落ちていた。」とだけ。



そう言う七海の手に握られていたのはもう見慣れて見飽きた黄色の水仙一輪だった。




『…。』


「…七海、悪いけどあと頼む。」



ただ今は彼女をどうにかすることしか考えていなかった。

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 夏油傑   
作品ジャンル:恋愛
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ちゃっぱ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして!コメントありがとうございます^_^ オチは作成当初から決めています!ネタバレになってしまうのでオチをここで言うことは出来ませんが、完結間近ですのでぜひ楽しみに待っていただけると嬉しいです( ; ; )ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年6月23日 22時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年6月23日 19時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年5月3日 14時

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