世界の終わり、君の隣【A3!】 (ページ8)

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Campanula ページ8

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『私って、消えちゃうのかなぁ
、』

ふと疑問が頭の中に浮かぶ。
目の前に紅く照らす真っ赤な太陽を目の前に彼の隣で呟く。
人は何れこの世から消える。
その後は生まれ変わるだの、星になるだの様々説はあるが、消える事にはみんな変わりない。

人って案外つまんないかも。そう思った。

「人は消えたら、おハナになるネ！」

不意に隣に座る彼が気づいたように話す。
人がこの世から消えたら花になるなんて初めて聞いた。

『花に ... ？』

「そうだヨー！」

すると彼はウーン... 、とうなり出す。

『シトロン？』

「もしAがいなくなったら、
アレみたいになりそうネ！」

そう言い、彼が指さした先には小さな紫色の可憐な花が咲いていた。

『あれは ...... 』

「 “ カンパニュラ ” ね！」

“ カンパニュラ ” ... 。
何故かその花の名前を聞くと不思議と心が落ち着いた。
あんなに可愛らしい花を私だなんて、

『シトロンはやっぱり王子様だね、』

そう彼に微笑むと彼はあったりマエだヨ！なんて彼も笑った。

『ねぇ、シトロン、』

彼の名前を呼ぶと彼は太陽を見つめたまま返事をする。

『また来世でも、シトロンと出会えるかなぁ、』

明日の22時に、この地球は隕石によって滅亡する。
逃げ道なんてどこにもない。
そんな事初めからわかっていた。
だけど、どうしても彼と離れたくなかった。

『シトロンと、離れたくないなぁ、』

目に浮かぶ涙を堪えきれず流す私を見ると彼はそのまま優しく私を包み込む。
あったかいこの腕の中も今日で最期なのかな。
消えたくない、そんな思いが強く出るかのように私の腕は力強く彼を抱きしめていた。

「大丈夫だヨ、
Aのコトは最期まで守るネ。」

私を抱き抱えるその腕は何故か私の心を落ち着かせてくれた。

彼と過ごす最期の時。

どうか、少しだけでも、ほんの1秒だけでも、彼の隣で、咲かせてください _______ 。

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