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星を見た。それから水饅頭を買い占めて、2人でたらふく食べた。
Aの2つ目の目標は実に素敵なものだった。
" 募金箱にお札を入れる "
どこまでも優しい子だと思った。財布に入っていた万札だって、今となっては募金したことろで痛くも痒くもない。
盲導犬育成の為の募金箱に2人で1枚ずつ入れたけれど、きっとその盲導犬たちも明日には亡くなってしまうのだろう。
「東さんのもうひとつの目標は？」
「もう達成できたんだ。」
" ナスを食べられるようになること。 "
これは、気がついたら克服できていた。ただの食わず嫌いなだけだったのかもしれないなと、今ではそう思っている。
「最後の目標は確か、2人ともお互いに秘密だったよね？」
「うん、せーので見せ合おうか。」
当時は何だか恥ずかしくって言いたくなくて、そしたらAも同じことを言っていて。だから紙に書いて、ずっと自分の中で留めていたけど。
" Aのウエディングドレス姿を見ること "
" 東さんと結婚する！ "
まさかこうも一致するなんて。
「東さんそんなこと書いてくれてたの？！」
「うん。いつかAに相応しい人が現れたらいいなと思ってたけど、まさかキミもそんなこと書いてくれてたなんてね。こんな時に不謹慎かもしれないけど、どうしようもなく嬉しいな」
「最後の日に結ばれたんだよ、私たち。ものすごく運命的！」
そうだねと返事をして、ふたり抱き合って。そこからはあっという間。
劇団に行って、昔の公演で使っていたであろうウエディングドレスを発見した。Aにはそれを着せて、ボクもお揃いのタキシードに身を包んだ。
そのあとは一緒に海に行って、2人とも純白の衣装だというのに馬鹿みたいにはっちゃけた。
「こんなにはしゃいだのは、いつぶりだったかな。」
「楽しかったですか？」
「うん、とっても。A、本当に綺麗になったね。」
砂浜に座り込んで、彼女の頬を指でそっとなぞって。Aと一緒に居られるのなら、地球も宇宙も最早どうでもよく思えてくる。
「愛してるよ」
生まれて初めて女性を愛した。
ふたりなら怖くないねって手を繋いで、空を見上げた。
明日、この空は真っ黒に覆われる。
これはきっと、地球最後のラブストーリー。
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作者名：みん x他3人 | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/awoike_3th
作成日時：2018年6月3日 20時
