Last Song ページ3
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〈 繰り返します 、速報です 。
明日 、午後10時頃 、地球に隕石が衝突します _______ 。 〉
働いてる人、そうでない人が集うこの歩行者天国に響き渡る女性アナウンサーの声。
それを聞いて焦り戸惑う人、怒り狂う人、泣き叫ぶ人、いろんな人がいる。
こんな状況で冷静になれる人なんてきっと居ない、誰もがそう思っていただろう。
「 ねぇ 、アンタ 、 」
振り返ると液晶パネルに反射して綺麗に輝くヘッドホンを付けた大好きな彼の姿がそこにあった。
『 真澄くん 、 』
「 今 、なんて言ってた? 」
『 明日 、地球が滅亡するんだって 、 』
彼は そんな事だったのか と言いたげな顔を見せた後、爆音を奏でるヘッドホンをまたいつもの様に付け直す。
相変わらずだなぁ 、だなんて思っていた。
地球が滅亡する事ぐらい知っていた筈だった。
世界にいるたくさんの科学者達が予言だったりなんだりしていた。
占いをよく信じていた私はいつか起こるだろうぐらいに思っていたけれど、まさか本当に起こるだなんて.........。
信じられない思いもあったけど、隣にいる彼を見たら何故かそんな思いも消えてしまった。
『 ねぇ 、真澄くん 、 』
ふとヘッドホンを付けた彼に尋ねる。
「 ...... 何 。」
『 真澄くんはこれからどうするの? 』
多分、もし本当にこの地球に隕石が向かってるとして滅亡するのならみんな逃げるであろうし、逃げないとしても大切な人と過ごすんだろう。
綺麗事なんていらない。彼はなんて 、
「 俺は 、アンタと一緒なら何でも 。」
竜胆色をした透き通った瞳がこちらを見つめる。
こんなに混乱してる時なのに彼の目は決して濁ってはいなかった。
そっか 、と返事を返すと彼も私に聞いてきた。
「 Aは? 」
『 私は ...... 、 』
明日、午後10時、この地球に隕石が衝突し滅亡する。
それを知った今、私がやりたい事は ______ 。
『 真澄くんの隣に居たい 、かな 。』
この世から居なくなるなんて想像もできないし、別に怖くも何もなかった。
ただ彼が隣に居れば私は幸せだった。
『 ねぇ 、真澄くん 、』
彼のヘッドホンを手にし、彼の目を見つめ、細々と呟いた。
『 これからもずっと 、大好きだよ 。』
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作者名:みん x他3人 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/awoike_3th
作成日時:2018年6月3日 20時