打上げ花火の鳴る頃に 【三好一成】

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『そうだ、渡したい物って何？』


本題を切り出すと あ、と何かを思い出したような素振りの三好。続く言葉を待つ


｢いや〜、実はただの口実だったり…｣


え？と予想外の言葉にこちらも言葉を失う


『あー、そっか！』


別に三好から貰う物に期待してたわけじゃないけど、それならなぜ抜け出したのか…
いやいや。それはさっき三好が言ってた通り、単に花火に興味が無かっただけ、そうだろう

"渡したい物"に期待なんて無かったという意味と、バツが悪そうな三好に気にしないで、との意味を込めて平静を装う



『んー、することなくなっちゃったね。どこか行く？』


｢まっ…！て、｣


一瞬後ろを向いた私を、三好は捕まえた




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