番外編21 ページ32
「A、今日何の日か知ってるか？」
『んあ？』
しっとりと肌に張り付く布団を背に、微睡んだ光の中で寝返りを打っていると隣から声がした
耳障りの良い低い声の主にすり寄りながら考える
まだ十数歳にしては賢いAでも、起き抜けの思考も纏まらないままでは男ー朧ーの云っていることも理解できない
とりあえず、暖かな胸に額を擦り付けてやり過ごす
Aは世渡り上手だった
上からクツクツと圧し殺した笑いと振動が伝わる
きっと、この男には自分の思っていることも筒抜けなのだ
信頼を寄せていた両親はもう何処にもいないから、ついついこの男に甘えてしまう
無条件に愛してくれて、且つ子どもとして扱ってくれるのは、弟達以外にこの男しかいない
否、本当に対等に扱ってくれるのは、この男だけなのだ
全幅の信頼を寄せる男に抱き寄せられて安心しないわけがない
暖かな体温を感じていたいが為に、自分を捨てるなと、裏切るなと、縛り付けるように腕を絡める
Aの好きにさせていた朧は、一つ息を吐き出すように笑い、薄っぺらい肩を掴み、ゆっくりと引き離す
黒く艶やかに広がる髪を掬い上げそこに唇を落としてニヤリと微笑むと、額に、鼻筋に、瞼に、頬に……ゆっくりと唇を滑らせる
最後に軽く柔い唇に口吸いを施し離れていく
『なに……』
「なにはねぇだろ、可愛げねぇの」
何がしたいのかよく解らないが、何か意図でも有るのだろうか？
謎な男の考えは理解できない場合が多いし
そこで、ある種の違和感を感じた
『なんか足りない』
いつもと違うような、違わないような……
ニヤニヤした笑みを貼り付けて、Aの唇を弄りつつ低く囁く
「今日は、キセル禁止の日だな」
――たまにはいいだろ？こーいうのも
いつもの苦味が無い分、甘く感じるのが良くないな……
A何も云わずに口角をゆるりと持ち上げ、ゆっくりと腕を絡めて離れた距離を埋めるように、そっと唇に吸い付いた
肌にしっとりと張り付く布団が暖かかった
ー・ー・ー・ー・ー
キスの日×禁煙デー
遅くなった上に、一話だけ……(´・ω・`)
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真(プロフ) - クサナギさん» ありがとうございます(о´∀`о)丁度テストが終わりましたので、これから更新していきたいと思いますっ！ (2015年5月19日 18時) (
レス) id: 89e481f604 (このIDを非表示/違反報告)
クサナギ(プロフ) - 続き楽しみにしています！！いつも見てます！更新(●'д')bﾌｧｲﾄです！ (2015年5月19日 18時) (レス) id: d89a3dea5e (このIDを非表示/違反報告)
真a'(プロフ) - ?桜覇?さん» うあっ//なんか、ありがとうございます(о´∀`о)最近滞っていますが、頑張りますね(^^) (2015年4月2日 15時) (レス) id: 89e481f604 (このIDを非表示/違反報告)
?桜覇?(プロフ) - 凄く面白くて大好きです！更新楽しみにしてます！ (2015年4月2日 14時) (レス) id: f2036bd052 (このIDを非表示/違反報告)
真(プロフ) - 玲さん» はいっ(｀･ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!!ありがとうございます、頑張らせて頂きます(о´∀`о) (2015年2月7日 21時) (レス) id: 733adbb469 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真 x他1人 | 作成日時：2015年1月16日 17時
