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客だったらしてくれんのかよ……

『一旦、湯編みから離れろ。俺が云ってんのは、茶とか淹れる湯の方だよ!』

「あぁ〜…、あるけど?」

『ちょっと貸して』

疑問を持ちつつも急須ごと貸してくれた

なんだかんだで優しいな、ほんと

持ってきた布の中から、必要なものを取り出す

〜・〜・〜・〜
数分程してから、湯呑みを渡す

不思議そうの眺めてから、俺を見詰めてくる

「これ、何?」

『俺特製生姜湯』

湯呑みの中には、金色に揺らめく生姜湯が温かな湯気を立てている

端的に答えて、クッと口角を上げると、戸惑いつつも口を付けた

その様子をじっと見詰める

ゆっくりと白く細い喉が嚥下したのを見届けてから、自分の湯呑みにも口を付ける

「不思議な感じがするよ」

『そうかい?』

「初めて飲んだ」

湯呑みを手に持ち、空けていた距離を詰める

優しく綻んだ表情に、此方まで優しい気持ちになる

ゆっくりと髪を撫でながら、生姜湯の効能を伝える

徐々に見開かれる目に酷く惹かれる

職業柄、毎日どんなに寒かろうが関係なく裸足の彼女に少しでも暖まって欲しいと、作り方を覚えた

『覚えた甲斐があったな』

少し冷たい脚に、唇を落としてから、固まって動かない彼女を呼ぶ

『蜜華』

掠れてしまった声で微かに俺の名前も呼ばれた気がした

手にもった湯呑みを二つとも端に退けて、涙で濡れた頬に手を滑らす

背に腕が回って、そして―――………

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作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - クサナギさん» ありがとうございます(о´∀`о)丁度テストが終わりましたので、これから更新していきたいと思いますっ! (2015年5月19日 18時) (レス) id: 89e481f604 (このIDを非表示/違反報告)
クサナギ(プロフ) - 続き楽しみにしています!!いつも見てます!更新(●'д')bファイトです! (2015年5月19日 18時) (レス) id: d89a3dea5e (このIDを非表示/違反報告)
真a'(プロフ) - ?桜覇?さん» うあっ//なんか、ありがとうございます(о´∀`о)最近滞っていますが、頑張りますね(^^) (2015年4月2日 15時) (レス) id: 89e481f604 (このIDを非表示/違反報告)
?桜覇?(プロフ) - 凄く面白くて大好きです!更新楽しみにしてます! (2015年4月2日 14時) (レス) id: f2036bd052 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 玲さん» はいっ(`・ω・´)ゞビシッ!!ありがとうございます、頑張らせて頂きます(о´∀`о) (2015年2月7日 21時) (レス) id: 733adbb469 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2015年1月16日 17時

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