曇天の4兄弟!!弐

番外編19 ページ25

世界は不公平で、神は二物を与えずとか…嘘だと思う

頭が良くて、運動出来て、あまつさえ性格も良いなんて完璧人間、本当に神は不公平な奴極りない
俺にもなんか寄越せよ

唯一の疑問は、思春期真っ只中の俺等とは違って浮いた話一つ無いことくらいかな。別に知ったことじゃないが

『今日も、お昼いいだろ？』

「ん？……ああ」

『どーも』

そう、正に俺が思う完璧人間は何てとない笑みで話し掛けてくる。昼休みに呼び出しが多々あるAは、『昼ぐらいゆっくりしてぇ』と、大半の奴等を押し退けてやってくる

いい迷惑極まりない。俺だって昼をゆっくり過ごしたい。切実に

今だって、僻みや妬み、好奇な視線の数々に晒されている。
そんな奴等に思うことは、他にやることねえのか、ぐらいだな。

そいつらが面と向かってとやかく言ってこないのも、姑息で卑劣に下駄箱やロッカー、机なんかを荒らして虐めてこないのも、“俺”だから


何も、俺が特別だと言いたいわけじゃない。俺が笑いながらソイツ等に悪態を吐くから、関わりたくないだけ。


なんだ、お前らあれか。告げ口でもされると思ってんのか。しねぇよ。嘘だけど。いや、しないよ

最初のうちは、威勢が良かった奴等も、自他ともに認める毒舌な俺が、笑顔で吐いた言葉に踊らされて今じゃ遠巻きに見ているだけ。


まぁ、誹謗中傷は頂けないが。男の嫉妬は醜いぞー、なんて

仲良くしたいなら、勝手にすればいいじゃないか。俺一人に、そんなに周りが騒ぎ立てることも無かろうに


ちらりと弁当をつつくAを見ると、成る程、整った顔立ちだな。モテるのも分からなくはないな。

そんな奴の隣にいれば、引き立て役もいいところの空くじポジションなんだろうが、なんだかんだで居心地が良いから離れられないで今に至る

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