番外編5 ページ42
「A〜早く来なさい〜」
優しいソプラノの声が辺りに響く
まだ、産まれて一年しか経っていない弟―宙太郎―を腕に抱いた母さんが俺を呼んでいる
「天火と空丸も待ってるぞ？」
その隣に立つ父さんもニコニコと人当たりの良い笑みを浮かべている
父さんの両手に縋り付くように天火と空丸がいる
しかし、次の瞬間には微笑む両親は掻き消える
『待って!!』
俺が手を伸ばすと…両親の笑みは明らさまに歪んだ
なんで…??
なんで、そんな顔をするの…？
父さんと母さんは俺を見て顔を歪めさせたまま手の届かない所へ消えていく
消えてー…
そこで目か覚める
何の変哲もない、自分の部屋
『またか…』
恐らく冷や汗だろう、ぐっしょりと濡れて肌に貼り付く寝間着が気持ち悪い
完全に覚醒させようと、目元に手をやる
『…あれ？』
いつの間にか流れていた涙が掌や頬を伝い落ちていく
クルシイ、タエラレナイ、カイホウ サレタイ…
それしか考えられない
両親の―あまりに突然過ぎる―死に頭が追いつかない
もう何日も前の事だ
そうやって何度自分を騙してきただろうか…
何度両親の後を追おうとしただろうか…
最初の一年か二年はほぼ毎日、ひっそりと涙を流した
後悔に苛まれ続けた
もっと、早くに駆け付けていれば
何かが変わったのかも知れない
この幸せな空間が永遠に続くとさえ、思っていたのに…何故
段々日が経つに連れて、趣味(と言うと語弊を招きそうだが…)の“遊び”に手を出した
色んなしがらみから逃れる為に―…
幸い、男女共に好かれる顔立ちだったこともあり、雇われている訳ではないが裏方等をして稼いでいた
ほとんどが客引きの鴨だったが
それでも良かった
例え客を取ることになろうとも…
俺が稼がなければ、弟達が生きて行けない
果ては16つも違う弟達
誰かに頼る事も出来ず、頼る術も知らずに謎の使命感に追われていた
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真(プロフ) - ありがとうございます(о´∀`о)天火さんですね!!カッコいいですよね( 〃▽〃)了解しました!! (2015年1月12日 9時) (
レス) id: 733adbb469 (このIDを非表示/違反報告)
紗夜 - とてもドキドキしました！！更新楽しみにしています！！身体に負担がかからない程度に頑張ってください！…天火さんとの絡みを出来ればもっと下さい// (2015年1月12日 0時) (レス) id: 6b2c749099 (このIDを非表示/違反報告)
真(プロフ) - 優さん» ありがとうございます(о´∀`о)拙い物ですが…更新が滞らないように心掛けます(｀･ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!! (2015年1月9日 17時) (レス) id: 733adbb469 (このIDを非表示/違反報告)
優 - とっても面白いです！！ 更新楽しみにしてます！頑張って下さい！！ (2015年1月9日 16時) (レス) id: 23876582f5 (このIDを非表示/違反報告)
真(プロフ) - 果穂＠黒雷(元もなか)さん» ありがとうございます(о´∀`о)最近は番外編続きなのですが…（苦笑 (2015年1月7日 20時) (レス) id: 733adbb469 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真 | 作成日時：2014年11月13日 6時
