曇天の4兄弟!!

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遠ざかる兄の背を悔しげに見つめる

ーー…兄貴達はいつもそうだ

「彼奴らは、大事な事は全部自分達だけでやるから」

白子さんが肩を叩きながら慰めてくれるが、納得がいかなかった

ーー…昔は違った気がする

ーー…いつからだ、親父とお袋が死んでからか…

ーー…もう覚えてねぇや

一人で静かになった庭を歩く。庭の隅には一体の人形がある

Aが一人でも稽古が出来るようにと作ってくれたものだ

天火を模した稽古用の人形を思いっきり刀で叩く

「子供扱いしやがって」

苦々しげに呟く口元は、怒りや悲しさ、頼ってもらえないことへの不満で歪んでいた…


―・―・―・―・―・―・―


茂みの中から出てきた男達は、何人くらいだろうか

十人はいるかいないか…それくらいだろう

どの囚人の手にも警官達から奪い盗ったであろう武器が握られている

天火と背中合わせで囚人の前に立つ

『さぁ、すぐに片付けて帰るとしようか』

「俺とAに掛かれば、こいつらぐらいすぐに送れるだろ？」

『あぁ、そうだな』

送り届ける場所は、一つしかない。彼等は、橋渡し人なのだから…

不敵に笑う天火につられて唇が弧を描く

「自分の罪を償って来い!!」

『そこで、精々目一杯苦しんできな』

扇子の開く音と拳を打ち付ける乾いた音が辺りに響いた

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