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「永里A18歳」
「Aちゃんって18やったん？！」
「そうらしいわ。高校には通ってへん。中卒。」
「お金持ちやのに高校行ってへんの…？」
「中学の頃は学年一位とか取ってたみたいやけど両親の意向で行けへんかったらしい。ちなみにAさんの双子の姉永山鈴華は有名な私立高校に通っててその学校と繋がってる大学に進学する予定らしいわ。」
「随分待遇が違うねんな…。あの家娘を甘やかしとうって有名やったけどなんでお姉さんだけなんやろ」
「永里家は代々性別関係なく長子が家継ぐって決まっとるみたいやで。だからたまたま数秒はよ生まれた鈴華さんが優遇されてたって訳やな。あ、あとこれ鈴華さんの写真な。」
そう言って大倉が出して来たのは明らかに高そうなドレスを着た少女の写真。
でもドレスぱっつぱつやし顔も…
可愛らしいAちゃんとは似ても似つかへんな…
「今丸ブスやって思ったやろ」
大倉が笑いながらそう言う
「女の人にそんな失礼な事思う訳ないやん」
「まあ、こいつ見た目がアレなだけじゃなくて人としてもアレやけどな。」
「どう言う事？」
「こいつ、Aさんが永里家におる頃にはAさんを使用人以下の扱いにしとったらしい。ちょっと飯が気に入らんだけで殴る暴言、自分の機嫌悪い時にAさんが飯食っとったら倉庫に閉じ込めて３日間何も与えへん。親も黙認してたみたいやな。」
「うっわ最低やな…」
Aちゃんが妙に腰低いのはこっから来てたんか…
親も親やで。実の娘に
「あと鈴華は婚約者がおるねんけど、その婚約者がこいつな。」
大倉が永山鈴華の写真の上に重ねるように写真を置いた。
「章ちゃんやん！」
「正解。安田んとこの長男さんな。」
そこには幼馴染みの安田章大が写っていた。
「章ちゃんのお姉ちゃんの結婚式行って以来やな…。あの章ちゃんがこんな奴選ぶなんて…」
「政略結婚や。政略結婚。丸と一緒。安は全く好きちゃう…むしろ嫌いみたいやで。鈴華がAさんに何したか全部知っとる言うてたわ。」
「大倉もしかして今回の情報…」
「そう。全部安に聞いた。」
大倉が口の端を上げてニヤッと笑う。
「アホかお前永里に気付かれたらどうすんねん！」
「大丈夫やろー安口固いし」
大倉はヘラヘラ笑っとるけどほんまに危ないぞ！
「まあ、Aさんに関しては以上やな。ロクな育て方されてへん。これからどうするん？」
「決まっとるやろ、Aちゃんを大事にするねん」
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作者名：昴 | 作成日時：2020年5月1日 2時
