倉子と丸山 (ページ20)

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夏祭り(緑、橙) ページ20

倉子side

今日は夏祭りや…。
隆平、どんな格好で来るんやろ…。
ていうか、隆平、迎えに来てって言うてたけど、女子に迎えにこさすって男としてどうなん？！
そんなとこも好きなんやけど！
6時12分。丸山家にインターホンを鳴らしに行く。

ピーンポーン

「はーい。」

「倉子です」

「今出るわ！」

約10秒後。

「お待たせっ！行こか！」

「うん////」

私の顔は真っ赤になった。その理由は、隆平も浴衣を着ていたから。いつも祭り行く時とか私服やったのに…////何気に浴衣見るの初めてやわ。
まぁ、一言で言うと、カッコいい。
ほんまにあのブス子のお兄ちゃんなんかな。

祭り会場。

「最悪。めっちゃ混んどるやん。並ぶの嫌やわ～。」

「もう、相変わらず倉子ちゃんはワガママなんやから(笑)」

あ、やば。隆平の前でこんなとこ見せたら嫌われるかも…。幼馴染やから猫かぶったって分かるやろうけど、なんか、ちゃんとしときたくない？

「まぁええで。僕並んどくわ。」

ドキッ

「ありがと////」

私とした事が、やばい、今日ずっと顔赤いわ。
男に優しくされる事には慣れとる。でも、なんか隆平は特別やわ。

そして、私達は、りんご飴を食べたり、射的をしたり、ヨーヨーすくいをしたり、焼きそば食べたり、綿菓子食べたりして、あっという間に時間は過ぎて行った。

やっぱり楽しいなぁ。隆平とおるの。

ドーンッ！

「うわっ！」

「倉子ちゃんびっくりしすぎ(笑)もう花火の時間やねんな。」

なんや、花火か(笑)むっちゃびっくりしたわ。

「僕、特等席知っとるねん！付いてきて！」

そして私は隆平について行く。
隆平に連れられた先は、見晴らしのいい岡で周りには誰もいなかった。確かに特等席や。

「綺麗やなぁ。」

思わず口に漏れてしまった。

「倉子ちゃんの方が綺麗やで。」

「え？」

思わぬ言葉に耳を疑う。今、私の方が綺麗って…。

「今日、倉子ちゃんの浴衣めっちゃ可愛かった。」

「ありがと…///」

顔が熱い。今日ほんまにおかしいわ。

すると、隆平は私の目をしっかりと見つめて、

「僕、倉子ちゃんが好きや」

と言った。

え？聞き間違い？

「聞き間違いやないよ。」

どうやら声に漏れていたらしい。隆平が真剣な目で言ってくる。
嘘や、夢みたいや…。

「僕と付き合って欲しいです。」

「はいっ！」

私が返事した瞬間、ピンク色の大きな花火が上がる。
ありがと、大好き。