倉子と丸山 (ページ14)

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天使後編ページ14

横山side

翌日の朝。
ほんまにやばい。生徒手帳どっかに落とすとか…。
あの中に住所とか名前とか生年月日とか色々書いてあるのに…。
「どうしよ…。」
「どうしたん、ヨコ。」
そうやって聞いて来たのは、渋谷すばる。
学校は違うが、友達だ。
「実はさ…、生徒手帳失くしてもてん。」
「へぇ。」
「いや、反応薄ない！？」
「いや、どうでもええし…。」
「どうでも良くないって！生徒手帳やぞ！？」
「可愛い女子とかが拾ってくれてたらラッキーやん。」
「すばるはその事しか頭に無いなぁ。」
「俺、学校こっちやから。せいぜい頑張れ。」
「おいっ！」
あーあ。行ってもた。
すばるは女の事しか考えてないからなぁ。
可愛い女子で思い出した。
昨日の天使みたいな子。また会えたらええな。
制服見たところ、すばるとかとおんなじ学校やから会えるかもしれんけど。
そう考えてる間に学校到着。
はぁ。生徒手帳どこ行ったんやろ…。

放課後生徒会室
「横山ぁ！校門の所で女子が横山呼んでくれって。」
同じ生徒会のAが言う。
「女子？」
「うん、制服的に、関英高の子やと思う。」
まさか…！
「行ってくる！」
「走ったらこけるで！」

校門
はぁ、はぁ。どこやろ…。
あ！あの子は！昨日の！
「なんか用事？」
その子に駆け寄って聞いてみる。
「あの…。横山裕さんですよね？私、昨日ぶつかってしまった者です…。」
なんで俺の名前知っとるんやろ…。
「それで、ぶつかった時に、生徒手帳落としてたんで、届けに来たんです。」
うわ、喋り方めちゃくちゃ可愛いやん。
なんかお礼したい…。ていうか連絡先知りたい…。
「自分、名前は？」
「あ、ごめんなさい！自己紹介まだでしたね！私、錦子って言います。錦戸錦子です。」
「錦戸さん？錦子って呼んでいい？」
「はい！全然！」
反応とかいちいち可愛いわ。ほんまに天使。ちょっと喋っただけやのに、俺の顔はめっちゃ真っ赤になってる。連絡先聞きたい…。頑張れ、俺！
「じ、じゃあ、私はこれで…。」
「ちょっと、待ってくれへん？」
「はい、なんですか？」
「その、お礼したいから…。LINE教えて欲しいねんけど…。」
すると、錦子は戸惑ったような表情を見せた。
やばっ。流石に会ったの2回目やのにちょっとあれやったかな…。
「あの、無理やったら別にええよ。」
「はい！私のなんかで良かったら！」
錦子が天使みたいに笑う。生まれてきて良かった。

P.S.
貴方様は出さない予定でしたが出しました！