個性 支配

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- 過去病院 -

あの日は、とても天気が良くてピクニックに行くにはうってつけの日だったのを覚えている

それとは打って変わって私達は絶望していた事も

先生｢……残念ですが、娘さんは“無個性“ですね｣

先生から言われた一言

それに驚く母

それはそうだ、なんてったって私たちは“エンデヴァー“の家族なんだから

“無個性“という結果が出てしまった以上、この家族は壊れるだろう

今でも寸前だと言うのに…

- 家 -

母と一緒に家に戻ると“Aの個性はなんだ…“と父であるエンデヴァーが私を見ながら母に問いかけた

母｢っ…｣

母は言いにくそうに、苦しそうに私を見ていた

あの時の私は未熟だった

純粋だったんだ

何も分からなかった、知らなかった

だから

『“無個性“…だったよ』

何も無かったように、笑顔で告げた

父は私の言葉を聞いたと同時に顔を段々と赤くした

そして

バチンッ！

静まり返った部屋に、大きく響いた音

叩かれたんだ、私は

頬が赤くヒリヒリして、少し痛かったな

でも、私は無表情で、父を見つめていた

母｢やめてください!!まだ4歳の子供に!!｣

父｢黙れ！どうして“無個性“を産んだ!!｣

父｢失敗作を！！｣

その後、私は父に捨てられたんだ

組織の人｢轟炎司さんのご自宅で間違いないですか？｣

スーツを着た何人かを連れてやって来た人はそう言った

そして

組織の人｢あなた方の娘さん、轟 Aはこちら側が預かる事になりました｣

私の腕を掴んだ

嫌だった、止めて欲しかった…

母｢A！嫌！やめてください!!A！！A!!｣

慌てふためく母

だが、ボディガードのような人に抑えられていた

姉｢A？…｣

兄｢父さん、母さん！！Aが行っちゃうよ！！｣

私を、心配しながら抑えられる兄と姉

父｢ふん…失敗作め｣

最後まで私を冷たい目で、ゴミのように見る目

それと

父の最後の言葉

それは私を狂わすには十分すぎた

『(この世界は、最悪だ……私が、平和にするんだ)』