検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:6,354 hit

Episode7 ページ7

.







彼女と接点がなくなった。隣のクラスってだけの他人になってしまった。

あの日から、彼女とは言葉を交わしていない。

あの一週間は幻想だったのかもしれない、とあのコンビニの前を通った時、肉まんの匂いが香る度に思い返していた。


廊下ですれ違うことはあったが、目を合わせることはない。恋ごころというものは実はすぐに使いものにならなくなるらしい。

そのうち、彼女に告白した男の噂をきいた。彼女がどう決断を下したかは知らない。




しかし、突然それはやってきた。

卒業式、同級生たちが写真を撮ったり、アルバムに寄せ書きをしたりしている中、俺はひとり図書館に向かっていた。


「あかあし」


階段で引き止められ、振り向くと、泣き腫らしたみたいな目が俺を見つめていた。数ヶ月ぶりに交わされる視線に、俺は愛しさを思い出した、思い出してしまった。


「Aちゃん、どうしたの」


俺を追いかけてきたようだ。


「あのね、わたし」


彼女も俺をすきだったらいいのに、って何度も考えた。俺の中のすきという気持ちは、Aちゃんだけのものだった。


「わたし、赤葦の第二ボタンが欲しい」







.

Episode8→←Episode6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にんじん | 作成日時:2020年3月20日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。