検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:6,351 hit

Episode5 ページ5

.






「あ、生活指導」


彼女のその声で、交差点の向こうにいる黒いジャージの生活指導の先生が目に入る。

手首を引っ張られて、コンビニの陰にかくれる。

先生が反対側に歩いていくのを見届けて、息を潜めていた俺たちはほっと息をつく。


「危なかったね」


そうあんまん片手に笑いかけられるものだから、なんとか誤魔化したくて、あんまり美味しくないあんまんにかぶりついた。

忙しなく胸が高鳴る。
聞こえてないだろうか、と不安になったけれど、聞こえてほしい、とも思った。


「ちょっと、わたしのあんまん!」


彼女の笑顔がこんなに近くで咲いていることに、俺はどう感謝すべきなのだろう、と何度も考えた。


「本当にここまでで大丈夫?」

「うん、送ってくれてありがとう」


あと一個信号渡れば家だから、と大きく手をふる彼女に、俺もまた小さく手を振り返した。








.

Episode6→←Episode4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 赤葦京治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にんじん | 作成日時:2020年3月20日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。