今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:6,351 hit
小|中|大
Episode5 ページ5
.
「あ、生活指導」
彼女のその声で、交差点の向こうにいる黒いジャージの生活指導の先生が目に入る。
手首を引っ張られて、コンビニの陰にかくれる。
先生が反対側に歩いていくのを見届けて、息を潜めていた俺たちはほっと息をつく。
「危なかったね」
そうあんまん片手に笑いかけられるものだから、なんとか誤魔化したくて、あんまり美味しくないあんまんにかぶりついた。
忙しなく胸が高鳴る。
聞こえてないだろうか、と不安になったけれど、聞こえてほしい、とも思った。
「ちょっと、わたしのあんまん!」
彼女の笑顔がこんなに近くで咲いていることに、俺はどう感謝すべきなのだろう、と何度も考えた。
「本当にここまでで大丈夫?」
「うん、送ってくれてありがとう」
あと一個信号渡れば家だから、と大きく手をふる彼女に、俺もまた小さく手を振り返した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
17人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にんじん | 作成日時:2020年3月20日 14時