追憶、想起のふたり【赤葦京治】 (ページ3)

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Episode3 ページ3

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ぐるぐると中学のころの記憶が蘇る。

中学三年生の頃、俺はAちゃんが好きだった。彼女とは隣のクラスで、唯一の接点が同じ委員会ということだけだった。

彼女は、俺ののクラスの女子が「重い男と軽い男どっちがいい？」ときいても、「どっちでもいいと思うけど」って答えるつまらない女の子だった。

きっと、「好きなタイプはなに？」ときいても、「好きになった人がタイプ」とか、「特にない」とか答えるのだろう。

それは、もう体を凍てつく季節が始まった直後だった。

「遅くなっちゃったね、部活も行けなかった。」

俺は、昇降口ではあ、と白い息を吐き出す。

「部活も委員会もって大変だね」

本来は各クラスの男女一名ずつが週替わりで図書館を管理する。しかしこの時期、インフルエンザが流行しており、俺のクラスの女子とAちゃんのクラスの男子が欠席していたため、俺と彼女がペアを組むことになった。

「赤葦、家確かこっちだっけ？コンビニでも寄らない？」

色褪せたえんじ色のマフラー。彼女ははやく買い替えたいんだよね、と嘆いていたが、でも、整った顔だちに、その色はよく似合う。

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