追憶、想起のふたり【赤葦京治】 (ページ2)

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Episode2 ページ2

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料金メーターに表示された値段に、ひゅっと息を吸い込む。

あれ、わたし所持金……あ、でもスイカでいいか。なんて鞄の中をまさぐっていると、横からスッと差し出されるカード。

「あ、ごめん……あとでお金わたす」

「いいよ」

立てる？とわたしの左手を引いてくれるあかあし。

そういえばわたしたちがまだ中学生のときも、他の男子とは違って気遣いができ、落ち着きがあったのもあり、クラスの子たちは赤葦かっこいいと口々に言い合ってた記憶がある。

「変わんないね」

「あんたの家、そっちじゃないでしょ」

そう指摘され、いつの間にか違う曲がり角を曲がろうとしていたことに気づく。

「あは……あ、さっきのお金」

「いいって」

「送ってもらってるから、そのお礼」

赤葦の胸元に財布を押し付ける。

多分今のわたしでは酔いに負けてまともにお金の数も数えられない。

コロン

ささやかな夜に伝染する、細やかな金属音。

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