第百七十一話 メジエドの宣戦布告 ページ42
「それよりメジエド、大変なことになってるよ!」
メジエドのホームページに書かれてあった内容は、
『我々は日本の大衆に失望した。いまだ彼らは、怪盗団の偽りの正義を信じている』
『我々は日本を浄化する計画を進めている。Xデーは8/21』
『これにより日本経済は壊滅的打撃を受けるだろう』
『だが我々は寛大だ。怪盗団に最後の改心の機会を与える』
『我々は怪盗団の改心の証として世間に正体を晒すことを求める』
『要求が通らなければ、我々は日本を攻撃する。日本の未来を怪盗団の判断に委ねることにする』
『我々はメジエド。不可視な存在。姿なき姿を以て悪を打ち倒す』
「な、なんかヤバそうだな…」
「要するに、怪盗団が正体を晒さなければメジエドは日本を攻撃する、と言ってるんだな? ずいぶんな構ってちゃんだな…」
「どうするの?コレ」
「アリババともう一度コンタクトを取れたらいいのだけど…」
メジエドの問題を解決するにはハッキング能力が不可欠。
そのためにアリババの力はすごく必要になってくるのだが、取引は決裂してしまっている。手掛かりといえばマスターと双葉だけだ。
「つーか暑ぃし、ルブラン寄ってかねえ?向こう行って話そうぜ」
みんなが四軒茶屋の駅のホームに向かおうとする中、Aは蓮のことを引き止めた。
「れ、蓮。話があるんだけど……」
「…うん」
ルブランに着くまでにメジエドを倒す色々な方法を話し合ったが、結局アリババを頼るしか道はないように思えた。だが、問題は連絡方法だ。
「アリババは勘違いして連絡を絶ったわけだろ?だったら、双葉の心を盗めば、向こうから接触してくるかもしれないな」
「キーワードとかさっぱりだぞ」
「アリババっ!どこにいんだよ!!」
「その事なんだけど。私、アリババと双葉が同一人物かもって思ってる」
「「!?」」
「奇遇ね、A。私もよ」
「ま、真まで?」
「アリババは外には出れないし双葉には会わせられない。この状況、すごく似てる気がして。本当にアリババと双葉が同一人物なら『自分は外に出られないから、自分と会うことは出来ない』って言ってることになって辻褄が合うなって」
「もしそれが本当なのだとしたら、自分の心を盗めと頼んでいるのか?」
「マスターに会ってみたいんだけど、すぐ近くに住んでるのよね?」
「家なら知っている」
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作者名:すみれ | 作成日時:2021年4月4日 2時