第百四十一話 頭脳派 ページ11
なんとか電源ボックスを壊して『警備員室』へと向かう。そこではリティの言っていた会話が繰り広げられていた。
「どうするか？ぶっ倒して頂戴しちまうか？」
「あのなぁ、スカル。連中をよく見ろよ？あれはおそらく隊長クラスだぞ？」
「それが二体って、さすがに無茶じゃない？てこずって警報鳴らされても嫌だし……」
「……だったら分担して、各個撃破するっていうのはどう？」
「どうやるんだ？」
「上の階にあった監視室を覚えてる？最初に地図を手に入れた部屋。あそこには通信設備もあったわ。あれを使って片方をおびき出すの」
「いい案だな！よしっ、ここは頭脳派に任せてみるか！」
クイーンの意見通りに監視室へと戻ってきた。そこには彼女の言っていたように通信設備がある。クイーンはあたかもシャドウの仲間と思わせる言葉遣いで奴らをおびき出した。思惑通りに警備員室にいた片方がやってきた。
「き、貴様らは！おのれっ！はかったのか！」
相手の姿が変わる。
怪盗団も戦闘態勢に入り、相手に攻撃をくらわせる。
「相手の弱点がわかってないから気をつけて！魔法攻撃で攻めるのよ！」
クイーンのナビの言葉を聞いて、リティは『メギドラ』を放った。
万能属性に弱点もないが少しは効いている様子だ。
「キャプテンキッド！！」
スカルがジオを放った途端、敵の動きが止まった。
怪盗団は確信する。こいつは電撃が弱点だ。
「リティ！スカルに『エアリエルのうた』を」
「了解！ジョーカー！」
Give me strength.
(我に力を与えよ)
The power to numb any strong man.
(どんな強者も痺れさせる力だ)
Now give!
(さあ、与えよ！)
「おっしゃあ！もういっちょ！」
魔法威力が3倍となった『ジオ』を放つ。
弱点でかつそれが3倍。シャドウは力尽き消滅した。そしてそのシャドウはやはり鍵を持っていた。
「今のうちに残りのシャドウからカギを奪いましょう！」
怪盗団はさっきの警備員室まで戻り、残ったシャドウを撃破した。
相手は核熱が弱点でクイーンの力により、難なく倒すことができた。
そしてもう一つの鍵も手に入れる。
あとは、隔壁を開くだけだ。
「よし、じゃあ同時に回すぜ？」
「いくよ！せーのッ！」
「あ、開いた…！」
「手間はかかったが、なんとか開けられたな」
「チームワークの賜物だ」
「ええ、そう思う。皆のお陰よ」
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作者名：すみれ | 作成日時：2021年4月4日 2時
